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文教協会の活動

5.教育実践論文

令和6年度 大垣市教育実践研究論文
【目的】
 教育の基本的、今日的な課題を踏まえ、幼保園・幼稚園・小学校・中学校の教育現場に密着した、個人またはグループの自主的研究に対して奨励金を交付し、大垣市における教育の充実を期する。

【主催】
大垣市教育委員会 大垣市文教協会

【後援】
大垣市小中学校長会

戸田氏庸賞

  学校名 氏名 教科・領域
川並小学校 伊藤 俊 理科
研究主題 協働的な学びを通して主体的に課題解決に向かう児童の育成
〜理科授業における4QSシートの活用〜
 
講評  理科授業において、学びの共同体と4QSシートを導入し、児童の主体的な課題解決力を育成した実践研究である。小グループでの対話的な学びと4QSシートによる実験計画の可視化により、児童の自主性が向上し、実験への見通しを持てるようになった点が優れている。この実践で得られた「授業デザイン」の手法と成果を、他教科や他学年へ展開することで、市全体の授業改善につながることを期待する。

優秀賞

  学校名 氏名 教科・領域
興文小学校 宗宮 桃子 自立活動
研究主題 児童の自己肯定感を高める特別支援教育の在り方
〜児童理解を大切にし、自己肯定感を高めるための学級経営と自立活動の指導を通して〜
 
講評  自立活動を効果的に仕組むことによって、児童が落ち着いて楽しく学校生活を送ることができるように取り 組んだ研究である。 教師や保護者だけでなく、児童自身がどんな自分を目指したいのかを考えた上で、取り組む自立活動区分・項目を決めたり、学校行事と関連付けながら自立活動の内容を設定したりすることで、汎化しやすくなっている。自立活動の授業を模索している特別支援学級担任が参考にできる内容である。
東小学校 細江 快 その他
研究主題 教師の授業研究に対する自立性・協働性を促すマネジメントの在り方
〜教科別に授業研究を行う教師を対象としたマネジメントモデルを通して〜
 
講評  教科別に授業研究を行う学校において、マネジメントモデルを開発・検証し、教師の自律性・協働性を促すことを目的とした実践研究である。先行研究や、客観的で具体的な数値に基づいて校内研究の在り方を改善しているので、勤務校の職員も成果を感じている。今後は、本研究のマネジメントモデルを例にして、教職員の資質・向上を図る営みが市内に波及することを期待したい。

優良賞

  学校名 氏名 教科・領域
興文小学校 関 朱音 理科
研究主題 問題を科学的に解決する楽しさを実感できる理科学習
〜児童の思考を大切にし、児童が主体的に取り組める授業を目指して〜
 
講評  児童が科学的に問題を解決する楽しさを実感できるよう、振り返りから次の問題を設定し、予想に基づく実験方法の立案、日常生活との関連付けを通して授業を展開した実践研究である。児童の思考に寄り添い、疑問や知りたいことを大切にした展開により、実験そのものの楽しさから科学的な問題解決の楽しさへと児童の意識が変容した点が優れている。今後、この実践で培われた問題解決の手法が他教科でも活用され、主体的な学びの充実につながることを期待したい。
日新小学校 牧野 香乃 保健体育
研究主題 主体的に学び、運動を楽しむ児童の育成
〜自己決定・自己選択の場を設定した授業〜
 
講評  主体的に運動を楽しみ、新しい運動にも挑戦していこうとできる児童の姿を願い、取り組まれた研究実践である。ACPを活用して主運動につなげる運動を設定し強化したり、仲間と関わりながらスモールステップで成功体験を増やせるような場や十分な時間を設定したりするなどし、主体的に課題解決に向かう児童の姿を目指して指導の工夫改善を重ねているのが素晴らしい。
綾里小学校 小椋 健司 算数科
研究主題 算数科における「分かった」「できた」と実感できる授業の実現
〜「個別最適な学び」と「協働的な学び」を充実させる支援の工夫〜
 
講評  「個別最適な学び」と「協働的な学び」を充実させ、児童が「わかった」「できた」と実感できることを目指した研究である。
 前年度の授業に関する意識調査から課題を明らかにし、算数科の授業の課題づくり、追究・交流、振り返りにおいて、様々な実践を行っており、その効果について検証もされている。
 今後も研究を継続し、効果的な実践が市内学校に広まることを期待している。
小野小学校 高橋 勇至 保健体育
研究主題 これからも運動に親しもうとする児童を育成できる体育授業の創造
ー自己評価・相互評価を取り入れた指導の実践を通してー
 
講評  運動が「できた」実感を味わい、意欲的に運動をしようとする児童の姿を願い、取り組まれた実践である。「する」「見る」「知る」という各役割の単元指導計画を基に、相互評価・自己評価を通して、できた実感や上達しようとする意欲を感じるための手立てが工夫されている。1年生でも相互評価ができる学習集団づくりや、遅延カメラの活用等、様々な角度から指導を工夫されているのが素晴らしい。
興文中学校 蜷」 あすか 外国語
研究主題 個別最適な学習によって読むことの能力と意欲を高める授業改善
〜小集団交流を生かした他者との協働的な学びを通して〜
 
講評  個別最適な学習と協働的な学びを融合させ、英語の「読むこと」の能力と意欲を高める授業改善に取り組んだ実践研究である。デジタル教科書の活用や学習形態の選択制を導入し、生徒が自己調整しながら学習を進められる環境を整えると共に、目的・場面・状況を明確にした課題設定により、主体的な学びを引き出している点が優れている。この実践で得られた「個別最適な学び」と「協働的な学び」の具体的方策は、他教科でも応用可能な示唆に富んでいる。
興文中学校 國枝 秀祐 外国語
研究主題 合科的な指導の在り方
〜現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力の育成〜
 
講評  戦争を二度と起こさないために行動する資質・能力を育成するため、教科横断的な実践を行った研究である。社会科で歴史的事実を分析し、国語科で人々の心情を考え、英語科で具体的な提案を表現するという各教科の役割を明確にした点が優れている。今後は「防災」や「環境」など、他の現代的な諸課題においても、合科的な単元構成による実践の広がりを期待したい。
10 興文中学校 河合 亮 社会
研究主題 「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた社会科指導の在り方
〜社会的事象を自分ごととして捉え、対話を通して学び続ける生徒の育成を目指して〜
 
講評  校内研究で重視している「対話」を基にし、社会科で求められている資質・能力の育成を目指した研究である。くらげチャートを用いた対話後の変容が分かるようにするための指導や、定まった結論のない問いについて、多面的な思考を促す対話活動の設定など、具体的な手立てが実践の成果として示されている。今後は、視点だけでなく対話の目的を明確にして、授業実践が継続されることを期待したい。
11 東中学校 小酒井 保乃佳 国語科
研究主題 主体的・対話的で深い学びを実現する国語科授業の在り方
〜「扇の的―『平家物語』から」の授業実践を通して〜
 
講評  「平家物語」の学習において、生徒が個人テーマを設定し、古典に表れたものの見方・考え方を現代と結びつけながら探究する実践を展開している。生徒の意識の流れに沿って、「問いを立てる際のポイント」を明確に示し、交流活動では「話し合いのポイント」を掲示するなど、具体的な指導過程が説得力をもって示されている。今後は、古典学習の必然性をより明確にし、個人テーマの質を高める指導の充実に期待したい。
12 江並中学校 宮ア 若菜 音楽科
研究主題 自らの思いや意図を生かして音楽表現をする楽しさを実感できる授業
〜コロナ禍を過ごした生徒が、仲間と共に楽しみながら課題解決する活動を通して〜
 
講評  コロナ禍で制限された歌唱活動を取り戻すため、生徒が思いや意図を持って表現できる授業実践を展開している。〔共通事項〕を要とした題材配列や、仲間との交流を効果的に位置付けた指導により、生徒の主体的な音楽表現を引き出した点が優れている。今後は、思いや意図を持った生徒が、発声や息遣いなどの技能面にも目を向けられる指導の充実に期待したい。
13 星和中学校 平野 粧子 国語科
研究主題 主体的に学びに向かう生徒の育成
〜【学びの選択】の位置づけによる「できた」「分かった」を実感できる授業づくり〜
 
講評  「学びの選択」を通して主体的な学習者の育成を目指し、生徒が課題や追究方法を自ら選択できる授業を実践した研究である。AI時代における主体性の重要性を見据え、生徒の実態調査から課題を明確にし、3つの具体的な指導方法(読み深めの視点選択、探究方法の選択、選択課題の提示)を体系的に示している点が優れている。今後は、全ての生徒が主体的に取り組める支援の在り方について、さらなる実践研究の深化を期待したい。
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