5.教育実践論文
令和4年度 大垣市教育実践研究論文【目的】
教育の基本的、今日的な課題を踏まえ、幼保園・幼稚園・小学校・中学校の教育現場に密着した、個人またはグループの自主的研究に対して奨励金を交付し、大垣市における教育の充実を期する。
【主催】
大垣市教育委員会 大垣市文教協会
【後援】
大垣市小中学校長会
戸田氏庸賞受賞論文
学校名 | 氏名 | 教科・領域 | |
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1 | 興文小学校 | 米津 嘉子 | 国語科 |
研究主題 | よりよい表現を求めて論理的に思考する力が育つ国語科学習 〜「書きたい」意欲をもち続ける仕組み作りと,ICT 機器の活用による段階的な指導を通して〜 |
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講評 | 子どもたちが「未知の問題」を解決していくための「論理的に思考する力」の育成を図る研究実践である。ICTの利点を「書くこと」の学習過程に効果的に組み込むことに加え、低学年の児童でも言語活動の目的や相手を意識できるように問いを設定し、常にその視点で振り返ることができる実践となっている。今後、児童一人一人が自分の考えの変容を自覚できるように、学習ログの活用方法など新たな手立ての追究に期待したい。 | ||
2 | 興文中学校 | 三上 巧 | 数学科 |
研究主題 | 日常生活や社会の事象と数学の事象を関連付けて考察する生徒の育成 〜第3学年「標本調査」の授業実践を通して〜 |
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講評 | 「データ活用」領域において、実生活と社会の事象とを関連付けて「考察する力」の育成を図る実践である。3年後に選挙権を得る自分たちと社会科での学習のつながりをもとに、タブレット端末を有効活用し、データの収集・処理を行った。今後、本実践を通して、教科横断的な見方を期待したい。 | ||
3 | 牧田小学校 | 田 直希 | 社会科 |
研究主題 | よりよい社会の実現を目指す子が育つ社会科学習 〜社会的事象を「自分ごと」として捉え,社会とのつながりが実感できる指導・援助を通して〜 |
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講評 | 子どもたちが社会的事象に対する見方・考え方を身に付け「よりよい社会の実現を目指す子」が育つための指導や援助の在り方を研究した。特に、自分ごととして捉える地域教材の開発をし、事象を身近に感じられるようにした。さらに、社会との関わりを話し合うための視点を明らかにし、より社会的事象を自分ごととして捉えることのできる実践を期待する。 | ||
4 | 興文中学校 | 山田 茉莉 | 理科 |
研究主題 | 「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善 〜「探究過程の見通し〜振り返り」と「つなぐ」をキーワードにした授業実践を通して〜 |
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講評 | 「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け、「題材設定と単位時間の学習活動の工夫」や「学習内容を線でつなぐ指導の工夫」の視点から授業改善に取り組んだ研究である。探究過程を重視した題材設定やアプリを基に対話的で深い学びにつながる交流活動の位置付け、既習事項や生活と結び付けた学びの指導等、意図的な指導方法が評価できる。今後、これらの授業改善を生かし、教科における資質・能力の育成に期待したい。 | ||
5 | 星和中学校 | 深田 康介 | 社会科 |
研究主題 | 『問い続ける力』を育む社会科学習の在り方 〜「指導と評価の一体化」を目指した授業づくりを通して〜 |
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講評 | 「みんなが納得する社会」を実現するために「考える力」を「問い続ける力」と定義し、育成を目指した研究である。その具現のために、生徒自ら学習課題を設定し、追究していくための授業構想を立てたことや、「はっきりさせたい」という願いを生み出す価値判断の授業に挑戦している。今後さらに、誰一人取りこぼすことなく、「学習改善につなげる評価」を実施し、授業実践に生かすことを期待したい。 | ||
6 | 時小学校 | 瀬古 菜月 | 国語科 |
研究主題 | 自分の考えが伝わるように,書き表し方を工夫する力を付ける 国語科「書くこと」の授業実践 |
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講評 | 読み手を意識して自分の考えを書き表すことが苦手な児童の実態から、文章の書き表し方を研究する実践である。モデル文を用いて学習の見通しをもたせたことや、各児童に自分の力に応じたプリントを選択させたことは、書く力を身に付ける上で有用性があると見出した。今後は、本研究を発展させ、話すこと・聞くことなどの他領域でも活用できる手立てへと昇華させていくことを期待する。 | ||
7 | 牧田小学校 | 仙田 翼 | 学級経営 |
研究主題 | 児童の自己肯定感を高めるための指導実践 〜目標に向かって努力する個の取組と,学級会を主軸とした自治的活動を通して〜 |
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講評 | 児童の実態を踏まえ、児童一人一人の自己肯定感を高めようとする研究となっている。特に、学級経営の願いに即した題材指導計画を意図的に作成することや、教師の価値付けと児童同士の相互評価を織り交ぜたことによって「理想の自分の姿の実感」「仲間から認められた喜び」を生み出した実践となっている。今後、市内の学級経営の在り方について、広まっていく実践となることを期待している。 | ||
8 | 南小学校 | 森岡 愛奈 | 健康安全 |
研究主題 | 自分や他者の心身を大切にできる児童の育成 〜ICTを活用した、コロナ禍におけるストレスマネジメント教育を通して〜 |
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講評 | 今日的課題となる「新しい生活様式」が求められる中、児童の心身にかかる負担感を捉え、研究した実践である。特に、ICTを活用して心の不安定な面を分析したり、児童本人と家庭との連携を図ったりして、個別の支援計画に位置付けている。また、ストレスマネジメントの授業を意図的に実施し、日常生活に生かしている点が優れている。今後、研究を継続し、校内外への広がりを期待している。 | ||
9 | 荒崎小学校 | 梅田 徳文 | 保健体育科 |
研究主題 | 「分かった・できた」と児童が実感する保健体育科学習 〜ICT を活用した活動・指導の実践を通して〜 |
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講評 | 運動の楽しさを実感できるよう、ICTを意図的に位置付けた研究をしている。特に、体力テストの結果から学級の傾向を分析することやICTの特性と体育科の学習過程におけるベストミックスを図り、一人一人の自己の成長を実感できる場面をもてるようにする実践が優れている。今後、研究を継続し、児童の運動への高まりの意識だけでなく、技能面の高まりが体得できる実践を期待している。 |
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