5.教育実践論文
令和7年度 大垣市教育実践研究論文【目的】
教育の基本的、今日的な課題を踏まえ、幼保園・幼稚園・小学校・中学校の教育現場に密着した、個人またはグループの自主的研究に対して奨励金を交付し、大垣市における教育の充実を期する。
【主催】
大垣市教育委員会 大垣市文教協会
【後援】
大垣市小中学校長会
戸田氏庸賞
| 学校名 | 氏名 | 教科・領域 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 上石津学園 | 田中 紗里 | 理科 |
| 研究主題 | 生活・社会・未来へとつながる「探究的な学び」の創造 〜探究でつなぐ義務教育学校の理科実践を通して〜 |
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| 講評 | 義務教育学校の特性を最大限に生かし、9年間の学びの連続性を可視化した極めて先進的な実践です。Society 5.0を見据えたプログラミング活動を「整理・分析」に位置付け、生活や未来の課題と結びつけた仮説検証は論理的で説得力があります。数値データと児童生徒の具体的な変容を対比させた分析も客観性が高く、主題から成果まで一貫した完成度の高い論文として高く評価します。 | ||
優秀賞
| 学校名 | 氏名 | 教科・領域 | |
|---|---|---|---|
| 2 | 北小学校 | 末松 英恵 | 社会科 |
| 研究主題 | 社会科学習における新たな問いを見いだす力を育成するカリキュラム開発 〜児童の発想と社会科の見方・考え方を接続する三単元を通した縦断的実践〜 |
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| 講評 | 単元を通した「問い」の連続性を重視し、子供の知的好奇心を揺さぶる質の高い実践です。個別最適な学びと協働的な学びを一体的に実現する指導法には独自性と妥当性が見られます。児童の変容を多角的な指標で捉え、仮説の検証が極めて論理的かつ一貫性をもって展開されています。文章も正確で美しく、現場の授業改善を牽引する説得力に満ちた秀作です。 | ||
| 3 | 江並中学校 | 木 一範 安田 和司 |
その他 |
| 研究主題 | 仲間と共に課題解決をし、「人と関わる楽しさ」を実感できる生徒の育成 〜SGEの実践と社会的自立を支えるスキルとの関連について〜 |
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| 講評 | 不登校生徒の増加という今日的な課題に対し、SGE(構成的グループ・エンカウンター)を核とした組織的な実践が光ります。異学年交流を通じた「人と関わる楽しさ」の醸成は、生徒の心理的安全性を高める有効な手立てとなっています。数値指標を用いた客観的な分析に加え、活動の形骸化への懸念など実践上の課題を誠実に考察する姿勢も高く評価できます。学校の地力を高める、説得力ある研究です。 | ||
優良賞
| 学校名 | 氏名 | 教科・領域 | |
|---|---|---|---|
| 4 | 興文小学校 | 田中 宜子 | 外国語 |
| 研究主題 | 主体的・対話的な活動を通して系統的な学びを構築する英語科学習 〜児童の「知りたい!」「伝えたい!」思いから生まれるコミュニケーション能力の育成〜 |
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| 講評 | 小中の系統的な学びを見据え、児童の「知りたい」「伝えたい」という切実な思いを引き出した卓越した実践です。絶滅危惧種を巡る葛藤など、目的や場面を明確にした単元構成により、単なる語学学習に留まらない深い思考を伴う対話活動を実現しています。中間交流による学びの調整や、数値に現れた顕著な意識変容の分析も極めて論理的です。コミュニケーション能力の育成に向けた、一貫性のある誠実な研究です。 | ||
| 5 | 興文小学校 | 平下 愛弓 | 国語科 |
| 研究主題 | 言葉への着目による考えの深まりと意見を交わすことの楽しさを感じられる授業実践 〜叙述を根拠とした話合い活動の位置付け〜 |
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| 講評 | 自分の主張に固執しがちな児童の実態に対し、叙述を根拠に他者と納得解を導き出すプロセスを丁寧に構築した実践です。文学的文章において、根拠となる叙述へ立ち返る場を意図的に設けることで、独りよがりではない深い読みと、視点の広がりを実現しています。仲間の意見を聞くことの楽しさが、国語科への高い関心と変容に繋がっており、主体的・対話的で深い学びの具現化に向けた一貫性のある論考として評価できます。 | ||
| 6 | 東小学校 | 三木 凱斗 | 社会科 |
| 研究主題 | 小学校社会科歴史分野における中核的な概念を軸としたカリキュラム開発 〜時代間の比較・関連付けを通して生きて働く知識を形成する授業と見学学習の統合〜 |
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| 講評 | 歴史学習における知識の断片化という課題に対し、「中核的な概念」を軸に江戸と明治を比較・関連付けたカリキュラム開発が秀逸です。概念連関掲示による可視化や、見学学習としおりを連動させた指導は、児童の思考を刺激し続ける優れた足場架けとなっています。統計的手法を用いた変容の分析も客観性と妥当性が高く、社会的な見方・考え方を働かせた「生きて働く知識」の形成を実現した、完成度の高い研究です。 | ||
| 7 | 江東小学校 | 増田 知里 | 算数科 |
| 研究主題 | 算数科における主体的に学習に取り組む態度の育成 〜最適な交流活動の形態と個人追究の在り方〜 |
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| 講評 | 児童の「答えへの不安」という実態に寄り添い、算数科における主体的な学びを追求した質の高い実践です。既習事項の掲示や「ピカピカ言葉」の活用といった具体的な手立てにより、思考の足場架けを丁寧に行っています。単元のねらいに応じた最適な交流形態を選択し、個人追究と集団解決を往還させることで、児童が自らの考えを更新する姿を引き出しました。研究内容と変容の分析に一貫性が見られる誠実な論文です。 | ||
| 8 | 中川小学校 | 坂井 心 | 特別活動 |
| 研究主題 | 道徳科および特別活動における他者理解を深める指導の在り方 〜ソーシャルスキルトレーニング・価値付け活動を組み合わせた実践を通して〜 |
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| 講評 | 自己中心的な思考が強い1年生の実態に対し、道徳科とSST、価値付け活動を重層的に組み合わせた優れた実践です。指名制の「よいことみつけ」という独自の仕組みにより、特定の友だちに偏らず学級全員に肯定的な視点を向ける文化を醸成しました。教師のモデル提示や朝の板書での共有など、日常的な指導の積み重ねが児童の確かな変容に繋がっています。低学年における人間関係づくりのモデルとなる一貫した論考です。 | ||
| 9 | 興文中学校 | 北川 俊介 | 技術・家庭科(技術分野) |
| 研究主題 | 「学習の個性化」を活かした主体的な生物育成の学習 〜小集団での対話によって学びを深める工夫〜 |
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| 講評 | 技術科の栽培学習を「マニュアル的な作業」に終わらせず、生徒自身の価値観を反映させた「最適化」のプロセスへと昇華させた実践です。点数制限を設けた優先順位の可視化や、科学的根拠に基づく肥料選択の手立てが非常にユニークで、生徒の主体的な判断を引き出しています。小集団での対話を通じ、失敗を改善の糧として捉え直す姿は、まさに探究的な学びの体現です。技術的な見方・考え方を深めた一貫性のある論考です。 | ||
| 10 | 東中学校 | 太田 勇治 | 特別支援教育 |
| 研究主題 | 自閉症・情緒障がい学級における納得のいく進路選択ができる生徒の育成 〜3年後を見据えた自立活動の実践を通して〜 |
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| 講評 | 自閉症・情緒障がい学級の生徒が、将来を見据え納得のいく進路選択ができるよう、3年間の継続的な自立活動を構築した価値ある実践です。個別の教育支援計画を活用し、保護者と目標を共有しながらスモールステップで自己決定を促す手立てが明確です。朝の会での振り返りによる可視化など、生徒の実態に即した具体的な支援が変容を支えています。特別支援教育における指針となる一貫性のある論考です。 | ||
| 11 | 北中学校 | 豊島 沙耶佳 | 外国語 |
| 研究主題 | 協働的な学びを充実させるための小集団交流を活かした授業づくり 〜話すことの能力を高めるための授業実践〜 |
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| 講評 | 英語科の「話すこと」における心理的障壁を、意図的な小集団交流とICT活用によって解消した優れた実践です。共有ノートでのワードマッピングは、語彙の広がりを視覚化し、生徒の思考を支える有効な足場架けとなっています。目的や場面を明確にした単元構成により、生徒が主体的に対話へ向かう姿を引き出しました。自身の変容を実感させる振り返りの工夫も、観点に照らし高く評価できます。 | ||
| 12 | 星和中学校 | 田川 元貴 | 数学科 |
| 研究主題 | 主体的に学びに向かう生徒の育成 〜「学びのマップ」の活用と「問題の選択」を通して〜 |
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| 講評 | 数学科への苦手意識を持つ生徒に対し、「学びのマップ」で既習事項とのつながりを可視化した手立てが非常に有効です。授業終末に難易度別の問題を生徒自身が選択する活動は、主体性を引き出すだけでなく、「できた」という達成感の醸成に直結しています。単元のつながりを意識させることで学習意欲の向上を図り、数値データでその変容を客観的に検証したプロセスは、論理一貫性があり高く評価できます。 | ||
| 13 | 上石津学園 | 樋口 万莉奈 | 健康安全 |
| 研究主題 | 義務教育学校における児童生徒の歯磨き習慣の定着と 歯科健康向上にむけた保健指導の実践とその効果 |
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| 講評 | 義務教育学校における9年間の学びの連続性を生かし、歯科健康の向上に取り組んだ優れた実践です。DMF歯数の分析に基づき、歯磨きソングや委員会活動、幼保小中連携の指導計画など、具体的かつ多角的な手立てを講じています。一部の学年で浮き彫りとなった生活習慣の乱れという課題を、就寝時刻との相関から客観的に捉え、次への改善策を示した点は誠実で説得力があります。養護教諭の専門性が光る論考です。 | ||
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