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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

師走を迎えて

 令和元年も、あと二十日余りとなりました。

 国としては、改元、新天皇即位など大きなできごとがあり、何となくあわただしく過ぎた一年だったような気がしますが、皆さんはどうだったでしょうか。

 私は、一月には親友を亡くし、七月には、十六年間家族として過ごしてきた愛犬を亡くしました。大切な存在を亡くすということは、本当に言いようのない寂しさがつきまとうものですが、生を受けた時から別れは必然として訪れるわけですから、もちろん私だけのものではありません。年賀欠礼の葉書の多さにも胸が痛みます。

 そんな中、アフガンで活動中の中村哲医師が襲われ、亡くなられたというニュースが飛び込んできました。私と同年令の中村医師は、医師でありながらアフガンの人々の中に溶け込み、現地の人々と共に水路を引き緑地化を進めて、生活を少しでも豊かにと活動して来られたことを聞き知っていましたので、常々すごい方だなあと思っていたのです。でも、その最後は余りにも悲しい結末でした。

 私の父は、一人娘の私に「easy – goingはするな!」という遺言を残して逝きましたが、中村医師はまさに自分から望んで苦難の道を選び生涯を終えられたのでした。中村医師の衝撃的な死を知って、まっ先に思ったことは「ああ、私は、いつの間にか易しい道を歩んでいるのではないか……」ということでした。父が逝って、今年は五十回忌でしたが、泉下の父は今、私のことをどう思っているのでしょうか……。初心にかえらねばと強く思ったことでした。私にもできる事があるでしょうから……」。

 ところで、先日、神奈川の友人から、みかんが届きました。とても甘くて美味しいみかんでした。その二日後、別の産地のみかんをいただきました。こちらは、まだ酸っぱくて、正月明けに食べる方が甘味が増して美味しいとのことでした。その時、私は子ども達のことを思い浮かべました。一人として同じ子どもはいないのに、私達は「皆と同じに…」と望むことが多いのではないでしょうか。子ども達の成長・発達の速さも各々なのに……。
私自身の課題の多さを自覚しながらも、子ども達には、あせらずに、一日一日を大切にしながら生きていく力を積み重ねていってもらいたいと思ったことでした。


2019.12.9 発行



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