コスモスの会は、大垣市の成人学校「ハーモニカ教室」で学んだ人たちが約18年前に結成した親睦団体。コスモスの花が咲く時期だったことからこの名になったとか。中谷さんも成人学校でハーモニカを習ったが、メンバーになったのは、会が結成されて3年ほど経ったころ。「友達に誘われたから」と入会の動機。4年前から「男性が少ないから」と、代表を務める。会の結成当時は12人ほどいたメンバーは、現在60〜90歳代の8人(男2人、女6人)。民生委員や元高校教師もいる。みんなハーモニカの好きな人たちばかりだ。毎月第1と第3水曜日に同市中川ふれあいセンターに集まって楽しそうに練習をしている。
コスモスの会が訪れるのは、大垣市内だけでなく周辺の神戸町や揖斐川町、池田町と幅広い。毎月4〜6カ所、多い月だと、8カ所回ったこともある。羽島市の老人会に出かけたこともある。演奏する歌は、童謡や唱歌、昔懐かしい流行歌など。施設などを訪れた時に、会場の人たちにも一緒に歌ってもらえるように、大きな紙に書いてある歌は120〜130曲もある。すべてメンバーの手書きだ。各会場では18〜20曲を演奏する。定番は、やっぱり「青い山脈」と「故郷」。「高校3年生」や「瀬戸の花嫁」「あゝ上野駅」も人気があるとか。お年寄りたちが若いころを思い出して心が癒される歌、そして元気になる歌ばかりだ。
1月23日の「ぬくもりの郷」には中谷さんら4人が慰問。濃いグリーンのそろいのチョッキ姿の中谷さんたちは、初めに正月にちなんで「1月1日」を演奏。続いて「ふじの山」「冬景色」「たきび」などを演奏。曲の前には、中谷さんが「今日、昼前に、草津白根山が噴火しましたね」「東京は大雪で大変ですね。大垣も以前は雪が多く降りましたね」「この歌は明治○年の歌です」などと、その日のニュースや話題、歌われた時代などをお年寄りにも分かり易く説明した。お年寄りたちは、ハーモニカに合わせて歌っていたが、「北上夜曲」や「故郷」の演奏には、昔を思い出したかのようにしっとりと歌っていた。「高校3年生」になると、歌声は大きくなった。頭や手を動かして懐かしそうに歌う人たちもいた。途中には「隣組」の曲に合わせて、身体を動かしてみんなで健康体操。最後には「ケーキはありませんが、歌のプレゼントを」と、1月生まれの人の名前を入れたハッピバースディの歌を演奏。みんなで歌って祝福した。この日の慰問では約1時間で20曲を演奏した。
母親が歌好きだったからか、小学校時代から音楽に親しんでいた、という中谷さん。「ハーモニカは旋律が良い。音色が良い。庶民的で手軽にやれる。皆さんもハーモニカを始めませんか。コスモスの会も高齢化している。若い人たちにもコスモスの会に入ってほしい。みんなで演奏しませんか」と、会への入会を呼びかける。コスモスの会は大垣市ボランティア連絡協議会の施設支援部会員としても活動している。
2018.03.01(子林 光和)