NHKの朝のドラマ「風、薫る」が終了しました。皆さんは観ていらっしゃいましたか。明治時代に看護婦という職業を世に広めていった女性の物語でしたが、その中に私たちのように子ども達とかかわる者にも通じるのでは・・・と思った台詞がありました。前半には、「よく観察する」ということば、後半には「看護婦にとっての最も基本となることは、病人がいちいち口にせずとも、その顔つきや態度のちょっとした変化から気分や体調を察する力をもつことです」ということばです。特に後半のことばで「看護婦」を教師や保育、療育士に、「病人」を子どもに置きかえてみたらどうでしょう。
発語のない子、ことばが幼い子、「言ってごらん」と促されても言えない子など、言葉で表現できない子ども達の言いたいこと、言おうとしている心の叫びを、私達はどれ程聴き取っているでしょうか。子ども達の心の奥底まで理解しようとしているでしょうか。わが身に立ちかえって、そんなことを考えながらドラマを観終わりました。
昔、女性が職に就くということは本当に大変だったようです。私の母は地主と言われた家に生まれましたが、代用教員として女学校で手芸を教えることになった時には、母の姉達の嫁ぎ先から「職業婦人を出すような家とは絶縁だ。」と言われて親戚づきあいが無くなったそうですから、今の時代からは考えられない世の中だったのでしょう。でも「風、薫る」を観ていて、そんな時代の女性の先駆者が今の私達につないでくれているんだと改めて思ったことでした。
今、庭先で杜鵑草が咲き始めました。日々喰いあらされた葉が多くなってきましたが、葉の裏には瑠璃蛺蝶(るりたては)の幼虫(毛虫)が隠れています。毛虫が苦手な私が杜鵑草の葉裏の幼虫の育ちを日々楽しみにしているなど誰が想像できるでしょう。でも、黒い翅の背面に外縁に平行した青い帯のある蝶を見られたことはきっとあるはずです。きれいな成虫になるといいなあ・・・毎朝の楽しみの一つなのです。
2026.10.19 発行