新しい年がまた巡って来ました。皆さんはどの様なお正月だったでしょうか。
私は今年も例年のごとく近くの神社に初詣に出かけました。わが家から神社までの道すがら臘梅が植えてあるお宅の横を通ります。例年はお正月に見事な花を咲かせているのですが、今年はまだ咲いていませんでした。おそらく気候変動が原因なのでしょう。そういえば、秋の実りも変でした。岐阜名産の富有柿にカメムシが大量発生し、実りも遅くなっていました。お正月を過ぎても食することができたのは、私には嬉しいことでしたが、様々なところで異変が起きているのでしょう。正月早々、しのび寄ってくる見えないものの脅威を感じさせられたことでした。
元旦から二週間を過ぎて、やっと隣家の臘梅が咲きはじめました。我が家の老木はとっくに枯れてしまいましたが、車の出し入れの際にお隣りの花を鑑賞させていただけるのも幸せなことです。
ろう梅というと、黄色の中心に紫の花被片があるのが一般的なのでしょうが、私は、黄色一色の素心ろう梅に心惹かれます。本当にろう細工の様だなあと思いつつ見入っています。花を見ていると京都の寺で出会ったことばが思い出されます。
花は黙って咲き
だまって散ってゆく
そうして再び
枝にかえらないけれども
その一時一處に
この世の全てを托している
一輪の花の聲であり
一枝の花の真である
永遠に滅びぬ命のよろこびが
悔なくそこに輝いている
私たちの命も宇宙の歴史から見れば、花の一瞬に等しいのかもしれませんね。
その一瞬の命をどう生きていくのか・・・今年もそんな課題を心の隅に置きながら一日一日を大切に生きていけたら良いなあと思うのです。それにしても最近は、年賀欠礼の葉書や病床にあるという遠来の友からの文も多くなりました。でも「袖振り合うも多生の縁」ということもあります。人と人との出会いを大切にしていきたいものです。
2025.1.20 発行