庭の隅にムラサキツユクサを一株見つけました。植えた覚えはないのに……。この花は、朝咲いて昼ごろには萎んでしまう一日花です。花に触れると洋服が紫のしみになるので、昔は避けて歩いたものですが、一株だけ咲いていると、何故かいとおしくなります。
梅雨の季節、コロナのことを聞かない日は無く、マスクが当たり前になり、花を愛でる心のゆとりも無くしているのかなあと思います。先日は、訪問先の園の近くでストケシアやゴテチャの花を見かけ、ああ、この花はこの季節の花だったっけ……と長い間見かけなかったなあと思ったことでした。
さて、皆さんはお元気でしょうか。センターの親の会も五月六月が休会になり、人づてに紹介されたという方々からの電話相談が多く入って来ます。お会いして、ゆっくりお話をと思うものの予定がぎっしり詰まっていて、なかなか思うようにはいきません。申し訳ないと思いつつ自分の力不足を思い知らされる日々であります。
子どもたちは元気でしょうか。学校生活が辛くなっている子や、お母さんから離れられない子、暴言暴力が加速している子など感受性の強い子などには社会の不安が直撃してしまうのでしょう。十代の自殺も増えてきていると聞きます。そして、そういう子ども達の心の叫びやサインを受け止めるだけの心の余裕が大人の側にもなくなってきてはいないでしょうか。一人で悩まずに誰かに話を聞いてもらうだけでも安らげるものですから、話したいなあと思ってもらえる大人の一人になりたいといつも思っています。
ところで今日、私はコロナワクチンを打ちに行くことになっていますが少々不安でもあります。そんな心配症の私が家を出た所、隣家のブロック塀にいる蟷螂(かまきり)の赤ちゃんを見つけたのです。蟷螂の子が生き長らえる確率はとても低いのだそうですが小さな小さな蟷螂を見ていたら、この自然の中で、がんばって生きていってねと、思わず声をかけていました。そして、不安な世の中だけど子ども達が自ら命を絶つことのない様にと祈らずにはいられませんでした。
辛いことはいっぱいあるけど皆で踏んばって生きていきましょう。
2021.6.14 発行
