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まちの魅力を掘り起こす「まちづくり工房大垣・歴史観光グループ」代表、疋田 正さん(77)


「グループの正装です」と語る
疋田正さん=歴史観光グループ提供
 岐阜県大垣市の中心市街地活性化のために各種市民団体が集まって1999年に組織された「まちづくり工房大垣」。市や商工会議所、市内の大学などと連携しながら、同市郭町の「大垣市まちづくり市民活動支援センター」を拠点に空き店舗対策や環境問題などの事業に取り組んできた。歴史や観光を通して活動しているのが「歴史観光グループ」。今年夏の水都まつりでは、春の大垣まつりが国の重要無形民俗文化財に指定されたのを記念して「あなたも大垣まつり通(ツー)に!」と題した、自分たちで調べて制作したパネル展を開いた。疋田さんたちは「多くの市民に見に来ていただいた。これがきっかけとなって中心市街地に人が集まってもらえればうれしい。まちのにぎわいにつながれば」と、楽しそうに話す。


寄贈された「大垣本陣模型」
を見る小川敏大垣市長=
歴史観光グループ提供
 歴史観光グループは、「大垣市をはじめとした西濃地域の歴史的、文化的、伝統的、民俗的遺産の調査、発掘、研究を行い、その成果を基礎に活用、保存、再建などによる自主的なまちづくりを進め、地域の発展を図ろう」と、まちづくり工房の組織化とともに発足。「おいじゃーす(いらっしゃいませの意味)」をキャッチフレーズに活動してきた。現在の会員は会社員、自営業者、公務員、主婦、定年退職者など29歳から80歳代までの15人。これまでに、旧美濃路(岐阜県垂井町〜名古屋市熱田区)をテーマに「美濃路大垣スタンプラリー」や「大垣本陣模型制作」「美濃フェス」、さらに「大井荘講演会」「大垣歴史講演会」「昼飯大塚古墳市民発掘会」「美濃路ぶらりウォーク」「竹鼻街道ウォッチング」などを開催してきた。大垣本陣模型は、一級建築士の会員が設計し会員が手作りで50分の1の大きさに制作したもので、大垣市に寄贈した。現在は竹島町の本陣跡の建物に展示してある。このほか、大垣まつりの本町の「相生やま」や竹島町の「榊やま」の10分の1の模型も制作した。「美濃路ぶらりウォーク」は、大垣観光協会が現在実施している「ぷらっと大垣通行手形」に引き継がれている。パネル展は2002年から毎年、水都まつりに合わせて本町通りの久世画廊の前で開催している。今年は、大垣まつりで、あまり知られていないやま行事ややまの言い伝えを掘り起こして展示した。看板も手作り。「人通りが多いとじっくり見られないから」と、朝5時に来た人たちもいた。昨年開催された俳人・松尾芭蕉生誕370年祭では、市民企画事業として「吟行『大垣四季の路と遺跡めぐり』」のハンドブックも刊行している。


昼飯大塚古墳で発掘体験を
する会員たち=歴史観光グループ提供
 グループは、毎月2回例会を開く一方、会報「おいじゃーす通信」も年に2回発行している。今年8月1日発行のおいじゃーす通信では、かわら版として「大垣まつりの見どころ」「こぼれ話」「大垣まつりやまクイズ」などを掲載し市民にも配布した。「おいじゃーす」と書かれたのぼり旗や法被もつくり、各種事業や「城下町おおがき新春マラソン」に法被を着た会員がのぼり旗を持って参加している。会員の結束力は強く、楽しい仲間たちだ。


大垣まつりのパネル展に見入る
市民=歴史観光グループ提供
 疋田さんや会員たちは「知らないことを発掘するのは楽しい。活動を通していろんな人と触れ合い、協力してもらったり勉強をさせてもらっている。美濃路をテーマにスタンプラリーやウォーキングを開いたのも、市民にまちの中心部に来ていただくため。まちに昔のような元気を取り戻したい」と語る。さらに「大垣だけでなく西美濃のまつりを紹介するシンポジウムも開きたい」と意欲的に準備を進めている。
2015.10.01(子林 光和)

今回の西美濃な人

疋田 正(ひきた ただし)

 物静かな元大手電機メーカー研究者。気さくで、例会中も涼しそうに団扇で顔をあおぐ。人望も厚く、会の代表を長く続ける。本人は「エエ加減だからやってこられた」と謙遜するが、会員たちは「超がつくほど真面目で、コツコツやる人」と言う。語学も堪能で、岐阜県世界青年友の会の裏方を担当するほか、観光ボランティア・ふるさと大垣案内の会の会員としても活動している。健康法は「一杯飲むこと」とか。仲間たちと飲みかわす酒は格別においしそうだ。3人の子供は独立し、現在は岐阜県大垣市熊野町で妻と2人暮らし。


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