大垣地域ポータルサイト 西美濃


西美濃
トップ

ひまわりからのメッセージ

戻る
ひまわりからのメッセージ

子育てのマニュアル

 最近、療育や教育にたずさわっている人から「指導のマニュアルをくださいと言う人が多くなって・・・。」と聞くことがある。お母さん向けの話をしていても「散歩のときには子どもにどんなことばをかけたらいいですか。」とか、「どの様に遊んだらいいのでしょう。」と聞かれることも多くなって、少々とまどっている。

 学校には、なるほどカリキュラムが存在する。一年生で何を教えるかが決まっている。しかし、特別支援教育では、個別指導計画や個別の教育支援計画をたてて実践していくことの必要性が言われているのではなかっただろうか。療育の場でも同様に一人ひとりの子どもの個別計画が義務づけられている。

 私たちの仕事は、まず目の前の子どもを理解するところから始まる。お母さん方も、自分の子どもを分かろうとする親としての思いからスタートするのではないのだろうか。一般論で語るのは簡単だが、目の前のその子に対してどうするかということは、決して「先にマニュアルありき」ではないのだと思う。

 ただ、基礎知識として私たちは、やはり子どもの発達を知っておきたいと思う。子どもたちの体や感覚、運動がどのように発達するのか、ことばは、認知はどの様に獲得されるのか、そういう基礎知識の上に一人ひとりの子どもの困り感や特性の理解が加わっていくのである。とは言え、発達について私自身がまだまだ勉強中である。だから、お母さん方とも、その親子にとってのよりベターな方法をさぐっていくことしかできないのである。

 手っ取り早くマニュアルを他人から教わろうとする人は子どもの育ちにかかわる仕事には不向きなのではないだろうか。子どもは日々成長し、変化していく。常に子どもたちに真摯に向き合いたいと私は願っているのだが・・・・・・。


2012.10.9 発行



ひまわりからのメッセージ