大垣地域ポータルサイト 西美濃


西美濃
トップ

ひまわりからのメッセージ

戻る
ひまわりからのメッセージ

夏休みの宿題

 「先生、お忙しそうですね。」と、よく言われます。「そうですね。忙しいですね。」と応えつつ自分の心の余裕のなさを見透かされているようで、何とも情ない気持ちになってしまいます。

 久しぶりに終日家で過ごし、片づけ始めると、読んでいない本が気になり、そうだ、手紙の返事も送っていただいた物の礼状もまだだったし、研修会の資料も作っていない…等々、次々とやっていないことが浮かんできて、頭の中がパニック状態になってしまいました。そして、ああ昔もこんな思いをしたことがあったなあと、小学生の頃に夏休みの宿題ができずにあせったことを思い出しました。

 夏休み中に昆虫採集か植物採集をしなくてはいけなかったのに、どちらもできておらず、お盆を過ぎて(どうしよう…)と心はあせるのに取りかかれず、夜も眠れずに幾晩も過ごしました。思いきって母に言うと、「早くしないから、もうシジミチョウしかいないでしょう。植物だって、秋の草になっているじゃないの!」と、こっぴどく叱られたものです。しかも母は手伝ってくれず泣きながら押し花をしたことを思い出します。

 子どもたちは、今、どんな夏休みを送るのでしょう。昔ほど宿題は多くないようですが、それでもできていない子の心中を思ってしまいます。やらなくてはいけないと思ってもできない時、怠けているという目で見られ、「もっと頑張って!」と声をかけてもらっても辛いものです。

 私がこの年齢になっても、自分で予定を埋めて忙しくしているのは、怠けていると思われたくないという心のあらわれでしょうか……。

 もう、立秋になろうとしています。時は全ての人の上に平等に過ぎていきます。


2012.8.7 発行



ひまわりからのメッセージ