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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

新春を迎えて

 お正月早々、能登の地震のニュースがとび込んで来ました。

 コロナ禍で閉塞されていた時間から解放されて、一家でお正月を過ごそうとされていた方々に、余りにも厳しく酷い現実です。日々放映される被災地のニュースに心痛めつつ、一体私に何が出来るのだろうかと考えてしまいます。災害に遭われた方々や救助にあたっておられる方々の身に思いを馳せながら、結局私にできることは今の自分の生活に真摯に向き合い、今この時を大切に生きていくことしかないのだろうと思い至りました。


 ところで、皆さんは年賀状を出されましたか?私は、毎年年末にあわてて書くのですが、今年はどうしても気が進まず、いただいた賀状にお返しを書くだけで終えてしまいました。古い友人や同級生の中には、身内を亡くされた方も多く、結局購入した葉書を残すことになってしまいましたが、出しそびれてしまっている方がいらっしゃったら、どうぞお許し下さい。

 いただいた賀状の中で一番うれしいのは、今までかかわったお子さんやご家族からの賀状です。そこには近況が書かれていて、「つらいことはたくさんあるけど、がんばって働いています」「グループホームに入り、ホームから仕事に通っています。」と書かれているものや「会いたいです。」「元気でいて下さい。」と体を気遣ってくださるもの、「一人で買物に行けるようになるのが目標です。」と、今年の抱負が書かれているものなど、それぞれの日常が垣間見えます。一枚一枚、幼い頃のことを思い浮かべつつ、「お姉ちゃんのスカートをはきたいと泣いてたっけ。」「新しいことをやらせようとすると、固まって、いつも不安そうに私の目を見上げてる子だった」「療育スケジュールを呈示すると、わざと入れ替えて“はじめのあいさつ”の次に“おやつ”のカードを並べて笑っていたなあ」等々、ついつい笑いが込み上げてきます。そして、長い年月の間、私はこの子やこの人達に支えられてきたのだなあと思うのです。

 庭の夏みかんが今年も鈴生りです。余りにも酸っぱいのでもらい手が余り見つからないのですが、豊かな実りをみせてくれることで「心の豊かさを忘れずに」と諭してくれている様です。


2024.1.15発行



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