あっという間に一年が過ぎ去ろうとしています。
年令を重ねると時間が過ぎる速さが若い頃とは違ってくると言われますが確かに、一日が一週間が何と速くに過ぎていくことでしょうか。でも、どういう訳かすでに来年度の予定が次々に入ってくるので、このポンコツ化している頭で本当に大丈夫だろうかと、ふと不安になったりします。
先日、北山に雪が降りました。昔からこの里の言い伝えで北山に三度雪が降ったら次は里に降るとのこと、間もなくかなあ……と思いつつ、そう言えば冬タイヤの交換はまだだったと思い出しました。
何となくぼんやりと移りゆく季節のことを考えていましたら、主人が「南宮の山にくまが出たらしい、登山も禁止らしいよ。」と教えてくれました。日本のあちこちで熊が出没し、被害が報じられています。大学生が襲われて命を落としたという痛ましい報道もありました。田舎に住んでいますから猿や鹿は割に身近に感じて来ましたが、熊となるとちょっと勝手が違います。昔は畑に仔牛がいると思ったのが猪だったということもありましたが、自然界が少しずつ変わってきたということなのでしょう。もちろん、それは私たち人の生活にも影響を及ぼします。
実は、吾が家には夜になると時々招かれざる客が訪ねて来ます。屋根裏でコトッコトッと小さな音をたてるのです。ねずみ君たちのように走り回ってドタバタすることはなく、とっても静かです。けれども確かに生き物が居るのです。私が二階に上がってベッドに入り、いざ眠ろうとすると小さな音をたてて、「ねえ、気づいてるの。ここに居るのよ。」とまるでアピールするかのように私が寝つくのを許してくれません。毎年吾が家を訪ねてくる冬の蝶に代わって、一体誰なのでしょう。でもさすがの私もこのお客さんをいつまでもお泊めするわけにはいきません。何とか穏便にお引き取り願いたいと思っているのですが、あちらさんにもご都合がおありなのでしょう。
庭先では石蕗の花は盛りを過ぎ白の佗助が咲きはじめました。
あと二十日もすれば新しい年が訪れます。
2023.12.11 発行
