大垣地域ポータルサイト 西美濃


西美濃
トップ

ひまわりからのメッセージ

戻る
ひまわりからのメッセージ

連休を終えて

 長い連休が終わりましたが、皆さんはどの様に過ごされていたのでしょうか。

 私は、前半は二十冊ほどの贈呈本の礼状書きと、書類の整理に追われていましたが、後半には次女夫婦が白川郷へ一緒に行こうと誘ってくれたので、はじめて白川郷を訪れました。テレビで屋根の葺替えや消火訓練の放水の様子などを見知っていましたが、実際に江戸末期に建てられたという合掌造りを目の前にすると、長い歳月の重みを感じないではいられませんでした。

 和田家には「家尊第一」という額が掲げられていて、それを家訓としてこの家を守り続けてこられたのかと、仏間を拝見させていただきました。小川に面した庭には樹齢はわかりませんが椿の巨木が八方に枝を広げ、八重咲きの紅い椿が咲いていました。椿の根元には石が配され、石はもちろん、庭一面が苔むしていて、その気に圧倒されて、しばらく椿の樹の前に佇んでしまいました。この家では、養蚕の様子のわかる展示も三階までされていましたので、きっと椿の樹は桑の葉を蚕が食む音を聴き、家人の会話や働く姿をずっと見つづけてきたことでしょう。

 集落の田んぼの多くは、まだ代掻きが始まっていませんでした。観光客でごった返している連休が過ぎると荒掻きが始まるのだそうですから、村の暮らしが少し落ち着くのでしょうか。飛騨の里では春の訪れも少し遅いのでしょう。桜も山吹も藤も咲き、芝桜が美しく植えられた庭もあり、「太田桜」と命名された八重桜にも出会うことができ、何年ぶりかの旅で少し心の余裕をもらったように思います。

 さて、明日からまた忙しい日常が戻ってきます。心のスイッチをオフからオンに切りかえるのは、大人でも難しいものですが、子ども達は大丈夫でしょうか。「学校へ行きたくない。」「休みたいよ。」と言っている子どもたちの姿が目に浮かんできます。連休中はずっとゲームをしていたと言う子もいるかもしれません。生活のリズムが崩れてしまった子もいるかもしれません。そんな子どもたちに対して私たちは何ができるのでしょう。心の奥底に秘めた子どもたちの心の叫びが私たちに聞こえるのかどうか、否、聴こうとしているのかどうか・・・。私たちの課題なのかもしれませんね。


2023.5.8 発行



ひまわりからのメッセージ