大垣地域ポータルサイト 西美濃


西美濃
トップ

ひまわりからのメッセージ

戻る
ひまわりからのメッセージ

初春を迎えて

 クリスマスの日、わが家にまた冬の蝶が迷い込んできました。二年前には親友の命日に紋白蝶が、今回は教え子の命日でしたが、どうしてこの時期に・・・と不思議でなりません。かの世から「ちゃんと憶えててくれている?」と姿をかえて訪ねて来たのかもしれません。白い翅をたたんで玄関に横たわっているのを偶然見つけたのです。飛ぶ元気もないようでしたが、水分が欲しいかもしれないと思って侘助の花を二輪ほど近くに置いておきましたら翌朝には侘助の花の上にのぼっていました。生あるものが家の中にいると気になって何度も様子を見に行くことになり、数日を蝶と共に過ごしましたが結局新年を迎えることはできず、シクラメンの花の上で命を終えました。

 そんな師走が過ぎ新年を迎えると、今年も今までかかわった子どもたちの近況を知らせる年賀状がたくさん届けられてきました。

 就職してずっと仕事をしているTさん、大学生になったMさん、四月から留学するUさん、就職先から辞職を勧められているSさん、病気入院していたHさん・・・・・・その一枚一枚を見ながら出会った頃の幼い姿が思い出されます。つま先立ちで歩いていたなあ。この子は触角過敏で学園の中庭の芝生に足が下ろせなかった。この子はボディペインティングを喜んではしゃいでいたっけ。小学校では支援級でお店やさんに興じていた子もいれば自分ルールを崩せずに先生に叱られていた子、暴れてガラスを割ってしまったこともあった等々思い出が尽きることはありません。皆それぞれの人生を歩んできて、結婚して子をなした人もいれば独身の方が気楽だと独り身を通す人もいます。幼くして亡くなった子のお母様からの近況報告もありました。

 年齢を重ねて来ると、こうしてかかわった子どもたちの近況を知ることは嬉しいですが、しかし、賀状も出せずに苦しんでいる家族の方々も多く、新春早々のメールや電話に心が痛みます。遠い日々のアルバムを繰りながら、かかわってきた子ども達の倖せを祈らずにはいられません。今年こそ佳き年となります様に。


2023.1.16 発行



ひまわりからのメッセージ