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ひまわりからのメッセージ

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病窓より

 今日で入院十四日目を迎えました。十一月末の木曜日、二つの研修会が続く中、急に痛みを増した腹痛でしたが耐えられない程の痛みではないとたかをくくっていましたし、自分の辛抱強さにもそれなりの自信があったのですが、結局は翌日入院、緊急オペということになりました。半日遅かったら大変なことに・・・と言われた吾が虫垂炎も、一週間も経てば退院と予測していたのですが、まさかの長期入院となりました。そんなわけで相談や検査予約の延期など多くの方々にご迷惑をおかけすることになり、本当に申し訳なく思っています。どうかお許し下さい。

 だが、この入院で学んだこともいくつかありました。一つには、緊急の場合の備えということです。主人には、物の置き場所が分かっていませんから、口で説明しても、探し出すのはなかなか苦労が要ることだったようです。災害時の備えの大切さは常々言われていることですが、家族全員がわかっていることが必要だと、つくづく思い知らされたことでした。

 もう一つは新人教育ということです。私の担当看護師は新人で、とにかく一生懸命です。自分の責務を頑張ってこなそうとする熱意が伝わって来ます。そして、彼女を見守る先輩看護師の助言・指導もなかなかのものです。余分に手を出さず質問されれば応えるけど極力自分で考えてやっていけるように見届け、「うん、いいよ。」と励ましていかれるのです。この先輩後輩のやりとりをながめながら、かつての自分の新人教育を反省させられました。今は、アドバイスもパワハラだととらえられかねない時代ですが、学ぶ側と教える側の信頼関係は、職場全体の雰囲気の中で培われていくものなのでしょう。片田舎の小さな総合病院で、日々ほっこりと温かな心をいただいている気がしました。

 人を育てるということは、自分も育てられることです。保育や教育の現場でも、親子の関係でも、どこまで介入し、支援するのか、どこまで見守るのか、常に自身が試されていますね。病窓からは養老山系が見え、あの山の途切れた所は木曽三川の合流点でしょうか。薩摩義士のこと、高須藩主の眠る行基寺のことをふと思いました。退院が待たれます。


2021.12.13 発行



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