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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

お月さま

 十月一日は仲秋の名月でした。

 皆さんはご覧になりましたか。

 私が見た時は、月はすでにかなり高く上っていて小さく見えましたが、それでも月の光はあたたかくやさしく地上を照らしていました。

 月を見上げながら、かぐや姫の話を思い出しました。人間が月まで行けるようになって、かぐや姫の話に夢中になる幼な子はもういないのかもしれませんが、おじいさんやおばあさんと別れて月に帰っていくかぐや姫の別れの場面はいつまでも私の心に残っているのです。そして、月を見上げるといつも二度と会うことのできない子ども達や友人、知人、両親のことを思い出します。皆さんは、どんな思いで月をご覧になりますか。

 翌日の新聞に、満月を背に岐阜城がくっきりと写った写真が掲載されました。板屋川沿いの土手で撮影されたものだそうです。そして、九日の新聞には藤橋城とおぼろ月の写真がのっていました。城と月という構図は何故か郷愁をさそうものだと思います。

 数日後のことです。宮代小学校に伺った折、校長室に岐阜城と月の写真がラミネートして飾ってありました。「新聞の写真と同じですね。素敵ですね。」と言う私に「どうぞ。」と校長先生がプレゼントして下さいました。「新聞の写真をどうしてこんな風にできるのですか。」とたずねる私に説明して下さるのですが機械に弱い私に十分に理解できるはずはありませんでした。でも、その写真を見ていると、姿は見えないけれども遠い月の世界に私の大好きな人達はきっといるのだと思えて、いただいたことがとても嬉しく、早速玄関に飾りました。そして、ゆっくりと月をながめる心の余裕がもてたことを喜びとしました。

 荻が咲き、秋海棠が咲きはじめ、杜鵑草もつぼみをふくらませて、あと二日もすれば咲きはじめるでしょう。

 月日は否応無しに過ぎていきます。最近は何故か秋が短くて、素早く通りすぎていく様な気がしますが、忙しい日々の中でも立ち止まる時間を見い出さなければ……と思ったことでした。


2020.10.15 発行



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