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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

小さな小さな雨蛙

 コロナ禍に加えて、各地の大雨の被害のニュースが次々入って来ています。東日本大震災の折のテレビ映像の津波の速さにも息を呑みましたが、今回の大雨による川の水の速さと破壊の大きさに、自然の力というものを否応なく思い知らされます。被災された方々が、元の生活に戻られるには、大変なご苦労と長い年月がかかるであろうと思い、私にも何かできることはないのか……と心痛む日々でもあります。

 雨の中、土曜日には依頼を受けて池田町に出かけ、年長児の数名の検査をして来ました。今は検査をするにも以前に増して気を使います。お互いにマスクをしていますから、子ども達の心の動きをとらえるのにも神経を使います。でも子ども達の方が私に力をくれているように感じます。子どもってすごいなあ……と、いつもエネルギーをもらって帰る私です。子ども達のエネルギーに加えて今回は、職員の方の手作りのシフォンケーキまでいただいたので、近くに住む娘にも半分おすそ分けしようと家を訪ねました。コロナのこともあって、久しぶりの訪問です。

 行ってみると、我が家におとらず草が伸びています。玄関先のヒメジオンなど数本を抜き取っていると、何と、小さな小さな雨蛙が塀にくっついているではありませんか。見ると、ここにも、ここにも……と四、五匹がすぐに見つかりました。まだ生まれたばかりなのでしょう。とてもきれいな黄緑色の雨蛙は二センチ程でしょうか。それでも私が伸ばした手をのがれて跳んで逃げるのです。小さな手も、その姿も余りにもかわいくて、しばらく見入ってしまいました。

 大雨の被害に苦しんでおられる方々に申し訳ないと思いつつ生まれたばかりの小さな蛙に何か心安らぐ思いがしました。自然の中で、こうして生まれ出る小さな生命があることに喜びを感じるのも、閉塞した今の生活様式に、多少疲れてきているのからなのでしょうか。でも、希望に満ちた未来像を思い描くのが難しい今だからこそ、身近な生活の中で大切なものを再発見できるかもしれません。

 今は、被災地の一日でも早い復興とコロナの感染拡大防止を心に祈りつつ、一日一日を大切に過ごしたいものです。


2020.7.13 発行



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