六月に入って、庭先では都忘れの花が終わりを告げ、露草や蕺草(どくだみ)、紫陽花(あじさい)が咲きはじめました。ああ、いつのまにか衣替えの季節だなあ……と時の流れをあらためて思います。
コロナということばを聞かぬ日はなく、不安や恐れなど、私たちの心に重くのしかかっているウイルスとは共存していくしかないのだと思いつつ、新しい生活様式に少しずつ慣れていくのでしょうか。
先日、ある本を読んでいましたら人の表情研究について書かれている箇所を見つけました。エクマンという人が五つの国の人に喜び、悲しみ、驚き、怒り、恐れ、嫌悪の表情の絵を見せたところ、一致率が高かったというのです。おそらく、基本的な表情の表出やその認知には普遍性があるということなのでしょう。ちなみに皆さんも考えてみてください。(休憩)
答は、先述の順ですが当たっていましたか?表情の認知に普遍性があるというのも面白いですが、子ども達は実際の表情からもたくみに大人の心の内を見透かしてしまいます。大人の感情の変化は、子どもたちに動揺を与えます。
昨日、北朝鮮拉致被害者の会の横田滋さんが亡くなったというニュースが飛び込んで来ました。十三歳の時に別れたまま愛娘のめぐみさんに会うことは叶わずに逝去されたというニュースに涙された方も多かったに違いありません。しかし、その前日には、ボーガンで一家を襲った大学生の記事があり、親と子の絆や関係性について考えさせられました。
出生率はどんどん低くなり、親子関係も未来へつないでいく命のバトンも細くなっていくのでしょうか。そし てAIの果たす役割が広がっていく世界になっていくのでしょうか。コロナウイルスがもたらしたものは、これ からの人と人の関わり方の変化でしょうし、私たちが人としてどう生きていくのかという自らへの問いかけであろうと思います。でも、笑顔を忘れずに……。
2020.6.8 発行