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ひまわりからのメッセージ

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久しぶりのコンサート

 今日は、久しぶりにコンサートに出かけました。

 神戸町安次にYASUTSUGU HALL(やすつぐホール)という小さな音楽ホールがあります。住宅街の中にひっそりと建っているこのホールは、北高時代の同級生だった渡辺教彦・久恵夫妻が開いたホールで、以前は外国の演奏者を招いてコンサートを度々開催してきましたが主人の教彦さんが亡くなってからは、余り開かれなくなっていました。

 今年は教彦さんの十三回忌だそうですが、そんな年に久しぶりにドイツからヘンシェル弦楽四重奏団を招いてのコンサートが開かれたのです。一部は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の第一番と、メンデルスゾーンの弦楽四重奏のための四つの小品の二曲でした。休憩をはさんで二部は、ピアニストの蓼沼恵美子さんを加えてシューマンのピアノ五重奏曲変ホ長調が演奏されました。

 小さなホールなので演奏者と、客席の距離が近く、奏でられる音楽は、全身に沁み込んでくるようです。シューマンの作品は、妻のクララに捧げられたものと言われていますが、ずっと引き込まれて聴き入ってしまいました。

 久しぶりにクラシック音楽を聴き、心の洗濯ができたという余韻にひたって帰宅しましたら、庭先で小菊がピンクの花を咲かせ、つわぶきは太い茎を太陽に向けて伸ばし、黄色の花を開かせようとしていました。ふと横を見ると、南天の実が赤に染まっています。ついこの間までは緑だったのにと思いつつ、そういえばここしばらくは帰りも遅く、庭の木草に目をやることがなかったことに思い至りました。

 いつの間にか萩も花を終えてしまっています。奈良の高円山の萩は今ごろはどうなっているんだろう。しばらく奈良にもいっていないなあ……。ぼんやりと考えていたら、庭にすだく虫の音ももしや絶えているのでは……と気づきました。

 時は流れていきます。未来から来て過去へと過ぎ去っていく一瞬一瞬を大切にしていかなければ、きっとたくさんの大事なものを見逃していってしまうのでしょう。忙しさに流されない心の持ち様を忘れないでいなくては……と思ったひとときでした。


2019.11.11 発行



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