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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

時を刻む

 今年、庭の隅で時計草が咲きました。十何年も前に、鉢植えでいただいたのですが、ずっと花を見ることはなく、もう枯れてしまったのだと思っていました。槙垣にからみついて、五輪も花をつけているのを見て、植物の強さを今更ながら知らされた思いでした。

 ところで、世は「働き方改革」の時代ですね。時の記念日を前に、私には思い出されることがあります。

 もう、何十年前になるでしょうか。大学を卒業し、当時唯一の国立施設だった秩父学園というところに勤務した時のことです。埼玉県所沢市に今も在りますが、当時の学園には、全国各地から知的に発達の弱さをもつ子どもたちが入所していました。

 そこで、職員として徹底的に叩き込まれたのは、時間の有効な使い方でした。

 私の担当は女児の寮で、入口に大きなホールがあり、ホールから奥に向かって中央に廊下があり、廊下の左右には子どもたちの居室、事務室、トイレなどが並び、廊下の突き当たりにも居室がありました。

 まず出勤したら、自分が奥の居室に行くまでに、何と何と何をして奥の部屋に行き、そこで何をして、戻ってくるときに何と何をして戻るという手順をきちんと計画的に頭にたたき込んで仕事をこなすのです。Aの部屋に行って、ホールに戻り、Bの部屋でやり忘れたのでBまで戻って……等という行動の無駄は許されません。子どもたちと過ごす時間を大切にするためには、どのように雑事をこなすかということです。常に先を見通しつつ仕事をしていくという当時の経験は今も私の中に生きつづけています。

 人生100年時代だそうですが、時間の使い方は人それぞれです。どんな時間の使い方が良いのか、一概には言えませんが、自分にとって限りある時間をどの様に使うかは、人生の豊かさに関わることでもあるのでしょう。

 外は雨です。梅雨入りをテレビが報じています。


2019.6.10 発行



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