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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

命について思うこと

 今朝のことです。夫と散歩に出かけたわが家の犬のポポが「どうも元気がない。歩き方が変だよ。」と聞かされたのですが、私は名古屋の眼科に行く予定があり、「帰ってからね!」と、出かけてしまいました。

 昼すぎに帰宅してみると、いつもなら尾を振って出迎えるのに起き上がりません。正確には、起き上がれない状態になっているのです。右脚はダラッとして力が入らず、さわると痛いのか「やめて!」と言うように私の手を噛むまねをします。台から跳び下りた時に脚をひねったか、骨折かと心配になりましたが、かかりつけ医は休診で、仕方なく寝かせておくことにしました。ポポは高令で人間なら90歳にもなるでしょうか。野良犬が産んだ仔でしたが、縁あって、我が家にやってきました。今日は、3回も排尿の失敗をしてしまいましたが、私たちにとっては大切な家族でもあり、ずいぶん慰められても来たものでした。

 ただ、仔犬から成犬に、そして老いていく姿を見ていると人も同じだなあと思うのです。そして、その命を全うさせてやりたいと思います。

 ところで、ここ2、3日、東京の病院における透析患者さんの扱いがニュースになっています。終末期でもないのに人工透析を外す選択を迫られて、多くの方が亡くなったと聞いて、心が沈みました。高山市での高令者への虐待も、以前に起きた障害のある方の殺害事件など、その思想の根っこは、同じでしょう。もちろん旧優生保護法も同じです。とは言え、この私たちも「できる」「できない」という尺度で価値を追い求めてはいないでしょうか。

 2040年には、高令化がますます進んで日本社会は大きな転機を迎えると言われています。IT技術も進み、この先どんな世の中になっていくのか、想像もつきません。でも、老犬ポポを見ながら、生きとし生けるものに必ず訪れる死というものを身近に感じ、それぞれの命を全うできる世であってほしいと思ったことでした。

 庭のクリスマスローズは、今を盛りと咲き、季をたがわずに咲く植物の力強さに圧倒されます。春ですね……。


2019.3.11 発行



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