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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

時代の行く末

 大学時代、同じ下宿ですごした仲間の会があって、先月、上洛しました。会った瞬間に、何十年もの時を経て、まるで昨日まで一緒にいたかのように打ちとけ、夜明けまで話が尽きませんでした。下宿での様々ないたずら事件や、お金がなくて白米と漬物で空腹をしのいだこと、各々の実家から送られてくる食べ物に皆が集まってまたたく間に平らげたことなど、貧しいからこその連帯感がありました。

 大学を卒業して、私は所沢にある国立施設の職員になりました。「厚生教官」と辞令にはありました。アメリカの施設を摸して造られた国の施設ですから、広大な敷地に建てられ、周りには雑木林が広がっていました。当時の施設は国立といえども貧しく、子どもたちの衣類は寄贈された物も多く利用させていただいたものでした。下宿の友人たちも協力をしてくれて、後で自分の着る服がなかったという後日談を聞き、笑い話になったことでした。

 今、世の中は大きく変わって物があり余る時代になりました。障がいがあるからという理由で親元を離れて生活する子は殆どなくなりましたが世の中には虐待やネグレクト、いじめ、親の手による殺害事件などのニュースがあとをたちません。

 昨今は、朝食を食べてこない子、スナック菓子に頼る子など食生活の乱れも気になりますし、仲間同士の遊びを知らない子もふえ、ゲームやスマホ依存も社会問題化しています。

 この時代、私たちは大人として何ができるのでしょうか。私たちは自分の楽しみや、自分の仕事や、自分自身のことを優先させすぎていないでしょうか。子どもたちと、きちんと向き合っているでしょうか。今、大人たち一人ひとりが真剣に子どもたちの将来を考えるべき時代に来ているのではないかと思っています。


2015.5.11 発行



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