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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

人の話を聞く態度

 私の所属する短歌の同人誌の百周年記念パーティーがあったのです。歌壇を代表する多くの方々がごあいさつされ、各々に祝意を表わして下さったのですが、残念ながら話がよく聞きとれません。後方に座った会員の人たちは、入会して日も浅く、百周年記念ということよりも、仲間うちの会話の方がきっと楽しかったのでしょう。テーブルを囲んで話がはずんでいるようでした。私の師は長い間会員の指導的立場にあり礼節を重んじる人でしたので、その光景をご覧になったら、どんなに嘆かれたことかと心が痛みました。師は二年前に世を去られ、この日を迎えられることはなかったのでした。

 会場の一隅に座りながら、今の子どもたちに、聞く態度が育ってないのも無理からぬことだと思いました。今の子どもたちの祖父母の年令にあたる人たちが、この状態なのですから、子どもにとって見本とすべき大人の姿が失われていっているということでしょう。

 学校の先生が「授業参観に来校したお母さんたちの話声が大きくて授業中に困りました。」と おっしゃられたことを思い出し、先日の私の体験とも重ねて、話を聞くという姿勢が全体的にうすれてきているのかとも思ったのでした。

 もちろん、子ども達の中には、聞かなくてはと思ってはいても、できない子達もいるのです。困っている子もいるのです。

 けれど、私たち大人が相手のことばを聞かずに自分勝手に話していく行動を続けていくことは、子どもたちの見本として、余りにも情ないと思いませんか?

 人の話につい口をはさんでしまう自分自身を反省しつつ、そんなことを考えていました。


2013.9.10 発行



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