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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

初雪に包まれて

 初雪が降りました。どんどん降り積ってきて十日の朝起きると、家のまわりは、一面の銀世界に変わっていました。

 近年は雪が少なくなりましたが、昔はこの地で大雪といえば、子どもの背丈ほどに積ったものでした。

 雪が積ると思い出すことがあります。幼い頃の私は、体が弱く、すぐに高熱を出して肺炎をおこし、両親を心配させました。

 ある年の大雪の日のこと、いつも往診して下さるかかりつけのお医者様が不在で、高熱は下がらず、どうしようという時に、私のことを聞き知った近所のご老人の方が「下熱にいいというから……。」と、万年青の根を届けて下さったのでした。一面の雪で、しかも深い雪の中を、三人の方が掘りあてて下さったということでした。私が床に臥しているのを濡れ縁からのぞいて、笑顔を向けて下さったことが、記憶に残っているのです。何歳の時であったのか定かではありませんが、皆さんの笑顔と真白な雪とが、今も思い出されます。

 考えてみると、私は本当に多くの方々に支えられてきたのだとしみじみ思います。いえ、私だけでなく、おそらく誰もが有形無形の支えがあって生きているのだと思うのです。

 幼児期から小学校へ、そして学年ごとを引きつぎ、小学校から中学校へと途切れなく支援を引きついでほしいと願ってサポートブック(大垣・神戸・養老では“スマイルブック”)を広めながら、私自身もこの支援の輪の中の一人でいつづけたいと思います。ほんのちょっとした手だてや理解が広がっていくことが、やがて大きな支援の輪につながっていくのだと信じていたいのです。


2012.12.11 発行



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