4年に一度のオリンピックの時、私はいつもこんなことを思います。
連日、メダルを胸にし、感激の涙にむせぶ選手の姿がテレビに映し出され、「すごいなあ・・・」と感嘆の声を上げつつ、私は敗退していった多くの選手に思いをはせてしまします。
世界のお舞台で活躍するようになるまでに、選手たちはどんな努力をしてきたのでしょうか。日々の努力の上に出される結果ですが、でも、スポーツの世界では良い結果を出さなければ認めてはもらえません。どんなに努力をしてもいい結果が出せなければ・・・という価値観に違和感を覚えてしまうのは私だけでしょうか・・・・。
出来る、出来ないという価値観で考えると、学園の子どもたちは同年齢の他の子ども達に比べて出来ない事が多いかもしれません。そして、目標に到達しないと「〜が出来ない」と評価されてしまいます。でも、子ども達の発達を見守り、育てていく時に大切な事は、結果ではなく、その過程であると思うのです。子ども達が「やろうとする思い」や「やってみようと努力すること」をしっかりと認めてあげることではないでしょうか。
子どもをダメにすることは簡単です。「ダメな子だね」「何をやっても出来ない」などと否定的なことばを常に浴びせられたら、誰だってへこたれてしまいます。
私たちが出来ることなど僅かでしかありません。大人だって苦手な事、嫌いな事もたくさんあるはずです。「苦手だけどやってみよう」と子どもの心を動かすことができたら、それが子育ての一歩でしょう。子ども達が「生きようとしている」ことを素晴らしいと思えるかどうが、療育の原点でもあるのです。
2004.8.25 発行