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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

母と子

 母親に置き去りにされた幼い姉弟が亡くなっているのが発見されたという痛ましいニュースがありました。子どもたちは、桜子ちゃんと楓ちゃんという季節の美しい名がつけられ、母親はブログに、誕生の時の喜びや二人の可愛さをつづっていたといいます。
 虐待の数は年々多くなっているのですが、背景には様々な要因があると思います。昨日の会議で出合った某市の保健師さんは、「母親の育児能力が低下している」と言い、保育士さんは「昔は、三歳児がおむつを取ってるのは当り前だったのに、今は保育園でとってもらえばいいという他人任せが多い」と嘆いていました。もちろん、そんなお母さんばかりではないのでしょうが、情報があふれ、価値観が多様化する中で、若いお母さんたちは、マニュアル通りにいかない子育てに戸惑われ、専門家に任せる道を選ばれるのかもしれません。
 子どもは、自我が育つにつれて親の思い通りにならなくなってくるものです。「イヤ。」が始まるのは、子ども自身の成長の姿なのですが、実は母子の葛藤も増えてくる時期です。
 自分の思い通りにならない子どもに腹を立てたり、どうしていいか分からなくなったりした時、私たちに何かできることがあるはずです。亡くなった幼子の祖父が「助けを求めてくれていれば…」と言っておられましたが無念だったことでしょう。今、学園には三百名近い子どもたちが通ってきています。子育ての悩みをかかええ込まないで私たちに打ちあけて…と祈るような思いでいます。決して虐待に走らないように…。

2010.8.1 発行



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