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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

1年の時間

 今年度も残り少なくなりました。
 さて、1年間とは一体子どもたちにとってどんな時間なのだろうか。
 お母さんのおなかから飛び出した瞬間、「オギャー!」と泣いて肺呼吸を始めた赤ちゃんが、原始反射の影響を受けていた非対称の姿勢から、脳の成熟に伴って対称位がとれるようになり、首が座り、寝返り、這い這いし、やがて一人で歩けるようになっていく。一人では何もできなかった子が人と関わってもらうことで微笑みを返し、人と共感し、一緒に遊ぶことを楽しむようになり、自分のまわりのものを探索しながら確実に自分の世界を広げていく・・・・・。1年とはそういう長さなのである。
 赤ちゃんにとって画期的な1年という時間は、大人になるにつれてただ惰性で過ぎていくような短い時間になり、私など大した成長も認められないままに終っていくような気がします。
 この1年間に出会った子どもたち、お母さんたち、そしてお父さんたち。「なぜ歩けないのでしょう?」「なぜことばが出てこないのでしょう?」「なぜ、何度注意しても分かってくれないのでしょう?」幾度となく繰り返されてきたその質問に対して、お母さんたちを納得させられるだけの答えを私は出せなかった気がします。そして、療育者として子どもたちを育て、お母さんたちを支えてこられただろうか、お母さんたちと一緒にパートナーとして日々を大切にしてこられただろうか・・・・と考えると心もとない気がするのです。
 巣立ちゆく子どもたちにとって次の1年も実りある1年でありますように・・・・・。

2004.3.19 発行



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