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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

子ども達自らの手で

 先日、偶然通りかかった三重県菰野町のパラミタミュージアムで「アンコールワット展」を見ました。出展作品の中には、上智大学アンコール遺跡国際調査団が2001年にバンテアイ・クディ遺跡で発掘した仏像11点が含まれていました。私は数年前にアンコールワットを訪ねたことがあって興味深く観ましたが、何より心に残ったのは、ビデオ放映の中で上智大学の石澤学長が言われたことばでした。「この発掘は、カンボジア人がその手で発掘したことが意義深いのであって、われわれ日本人が手伝っておこなったことではない。」と・・・。数十年もアンコールの発掘に携わり、多くのカンボジアの若者を育て、自国の遺跡発掘へと導いた方のことばとして深く心に残りました。
 考えてみれば、私達が子どもを育てていくのも同じです。子ども達の自立に向けて私達は手伝っているだけのことで、最終的には子どもたちが自らの手で生きていくということが大切なことでしょう。ところが、ややもすると私達は何でもやってあげるのが愛情であると勘違いをして身の回りのことをすべてやってしまったり、逆に大人の願いばかりを優先させて過度の要求をしてみたり・・・・・。保育園では余分に保育士さんがつけてもらえればいい、学校で支援員をつけてもらえればいいということではなく、将来この子が自立していくためにどうしていけばいいのか。自立に向けた手伝いをしている私たちやお父さん、お母さんの「今」が問われているように思いました。

2009.8.31 発行



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