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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

雪の思い出

 今日はシベリアからの寒気団の影響で大雪になりました。皆さんは雪の中でどんな歌を思い出されますか?私は『雪の降る街を』をつい口ずさみます。そして、口ずさみながら決まって一人の恩師を思い出します。
 『雪の降る街を』を知ったのは中学生の時でした。 古い校舎の音楽室の窓ガラスは風にガタガタと鳴り、外は真っ白な雪。恩師の宮川徹先生は、音楽が好きで好きで音楽の教師になられた方でした。その指導は厳しくも温かく、『雪の降る街を』を情感をこめて歌うようにとおっしゃった声、  指揮の手の動きさえも鮮やかによみがえってきます。
 その後、先生は学校教育にたて笛が導入された折に、ご自身はフルートを始められました。「生徒が新しいことに挑戦するのだから、僕も新しいものに挑戦してみるよ。」とおっしゃったことばが心に残りました。
 子育ての中で子どもに習い事をさせ、「やりなさい!」という親御さんは多いと思います。しかし、自分も新たな挑戦をしてみると、子どもの気持ちがわかってきます。 できなかったことができるようになった喜びも、ある程度上達した段階でのスランプの苦しみも共感できるでしょう。
 先生は、校長を退かれた後、フルートに専念されました。「僕のフルートと君のピアノでいつか一緒にコンサートをしようよ。」のことばを残し、最後まで音楽を愛し続けられた先生は旅立たれてしまいました。約束を果たすことなく・・・・・。
 今、教育者としての先生の生き方に思いを馳せています。雪はまだ降り続いています。

2005.12.26 発行



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