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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

令和二年 年のはじめに

 新しい年が明けました。

 「めでたさも 中くらひなり おらが春」と詠んだのは一茶だったでしょうか。私の新春も概ねそんなところです。

 年賀状が年内に書き上げられず、結局新春に持ち越して、元旦にやっと五百枚を書き上げました。NPOを援助して下さった方々の手元にお届けできなかった方もあり、心苦しく思っています。

 私の短歌の師でもあり、宮中の歌会始めの選者もつとめた千代國一は、私に「節」ということを諭してくれたことがあります。広辞苑を引くと「ふし」「二十四節気」などの後、六番目に「志を守ること」七番目に「ほどよくすること、控え目」が出てきます。自分が正しいと思うことを貫く、しかし、それは控え目に相手を尊重し、相手を思いやった上でのことと解釈してもいいでしょうか。師はある時、私にそれが足りないとお思いになったのでしょう。厳しくもあたたかな文面でした。ところが長文のその手紙は私が手文庫の奥深くしまい込んだらしく、どうにも見つかりません。読み返すことができないのを勝手に解釈をして、今のところ私の生き方は師の許容範囲にちがいないと甘く考えたりしています。

 二〇二〇年。今年はどんな一年になるでしょうか。

 今朝、まだやっと白みはじめた朝の気を裂くかのように、鵯が鋭い声で仲間を呼ぶのが聞こえてきます。今年は雪もなく穏やかですから、山に食べものが無くなったわけでもないだろうに……と思いつつ、集まって来たひよどりたちの啼き交わす声を聞きつつ、このメッセージを書いています。

 我が家の柿はとうに鵯たちの餌になりましたが、そのうちに木の実も無くなって、春になると鳥たちが落としていった実から又新たに木々の芽が芽生いてくることでしょう。もうすぐそこに春の息吹が感じられます。「今年もやれるだけのことをやろう。」力まずに自然体で……と思っています。


2020.1.20 発行



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