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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

平成の終わりに

 新年度になり、1週間が経ちました。子ども達は学校に行っているでしょうか。心配しながら日を送っています。

 さて。私事ですが、昨日、高校3年生の時に担任であった野田武志先生を数名の学友と一緒に見送ってきました。先生とは、実に半世紀以上にわたる交流でした。

 教育の場では、よく「共育」ということばが使われます。教える側の教師も生徒も共に学び共に高め合っていくということだと思います。野田先生は、それを実践されていました。私たちのクラスは生意気なクラスでしたので、先生の担当の社会の授業では毎時間先生が困られるような質問をしたものでした。私達より11歳年上の先生は、自身が知らないことを皆に詫び、次の時間には必ず調べて来て答えて下さったのでした。後日、先生は「あの時は君達に学ばせてもらったよ。」と、おっしゃいましたが、私たちは、先生の真摯な生き方に、どれ程の影響を受けたか測り知れないと思います。それは、その後の私たちの長い交わりを考えれば言わずもがなのことでしょう。

 人は一生の間に様々な人に出会いますが、その出会いによって人生が変わってしまうことも少なくないと思うのです。

 新年度、子どもたちはどんな先生に出会うのでしょうか。もしも、「私がこんなに一所懸命にやっているのに……。」「なぜ先生の言うことが分からないんだ!」という思いが強い先生に出会ったとしたら、おそらく「共育」などはあり得ないのではないでしょうか。職業人である前に、1人の人間として誠実に真摯に生きることを、私たちに示して下さった先生に出会えたことは、一生の宝物であったと思います。そして私もまた、出会った人達に出会えて良かったと思ってもらえるような人間になれたらいいなと思うのです。

 イチローが引退し、平成はまもなく終わります。国民栄誉賞を辞退したイチローさんが今後をどの様に生きていくのか興味があります。令和がどの様な時代になるかわかりませんが、1つの区切りとして私も自分を見つめ直してみようと思います。そして、平成最後の「ひまわりからのメッセージ」を恩師野田武志先生に捧げたいと思います。

 さあ、新年度、また新たな出会いが待っています。


2019.4.15 発行



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