大垣地域ポータルサイト 西美濃


西美濃
トップ

ひまわりからのメッセージ

戻る
ひまわりからのメッセージ

様々なニュースがあふれる中で…

 サッカーのワールドカップが終わり、高校野球も始まろうとしています。負けてもさわやかなサムライジャパンの帰国ニュースでしたが、この一週間のニュースの中で心痛んだニュースがありました。

 一つは、津市の施設で日常的に行われていた障害のある方への虐待のニュース、もう一つは裏口入学のニュースです。

 障害者差別解消法が制定されているにもかかわらず、無くならない差別や虐待。しかも弱い立場の人々を守る立場にある施設で何度も繰り返されることに怒りと悲しみを禁じ得ません。個人的にはいけないことと分かっていても、自分以外の人が全て反対の立場であると、例えまちがっていても「集団圧力」が働くことで他の人に同調してしまうという説があります。津市の施設のような所が多くはないことを祈りつつ、私たち一人ひとりの心の中に棲んでいる差別に自ら立ち向かっていく必要があるのだろうと思いました。

 文部科学省の局長の事件を知って、私が心を痛めたのは、入学した息子さんのことでした。おそらく本人は、自分が裏口入学だったとは知らず、合格を素直に喜んだのではないでしょうか。自身の裏口入学にからんで父親が逮捕されたという事実を彼はどの様に受け止めたのでしょう。親ばかということばがあります。辞書には、「親が子をかわいがるあまりに理性を失い、他人からは愚かと見える行動をすること」と、あります。高級官僚として生きてきたこの人は、結局は自分の人生だけでなく息子の人生までも狂わせてしまったのです。自分の子のことしか見えないということのない様に、そして五年後、十年後の我が子の姿を想像しながら、今できることを地道にやっていきたいですね。

 先日、郡上市の保育士会があって出かけました。郡上に行くと、私は必ず郡上八幡城の急坂を登ります。一方通行の坂を上ると、駐車場に着きます。樹々のみどりが私を包んでくれて、遠く行き交う車の音や、うぐいすの谷渡りが聞こえ、しばらくの間、その静寂の中に浸ってきました。忙しい中で、ほんのわずかな刻を見つけることが心の栄養になるように思います。自分の心のハンドルを切りまちがえない様に……。


2018.7.9 発行



ひまわりからのメッセージ