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子どもたちの創造力、自主性を育む遊びを提案する「緑の風」理事長、浅野 純一さん(70)


「異年齢の子どもたちの
 交流の場を提供したい」
と語る浅野純一さん
 「子育て日本一」を目指す岐阜県大垣市が同市郭町の大垣公園で開設している「プレーパーク」。子どもたちのはじけそうな笑い声が聞こえてくる。子どもたちと一緒にいるのが浅野純一さんたち「プレーリーダー」。大垣市の委託を受けて公園に常駐。子どもたちの遊びのサポートや指導をするだけでなく、安全に遊べるように優しく見守っている。浅野さんたちは「大垣公園を訪れた人たちみんなに楽しんでもらいたい。子どもたちの居場所であり、異年齢の子どもたちが遊びを通じて交流が出来る場を提供したい」と、熱く語る。
 同市などによると、プレーパークは「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーとした遊び場。同市は、子どもたちの好奇心を大切にし、さまざまな体験や交流を通して子どもたちに自主性や主体性、社会性、コミュニケーション能力を育んでもらいたいと、2011年に岐阜県内初の試みとして開設。浅野さんたちプレーリーダーは、「NPO法人・緑の風」のメンバー。年末年始と雪や雨の日を除き、毎日朝9時から午後5時まで2人が常駐している。


楽しそうに砂場で
山や川をつくる子どもたち
=大垣公園プレーパーク
 原則として平日の午前中は、子育て世代の親子たちが対象。手ぶらで遊びに来てもらえるように、遊び道具をそろえるだけでなく、泥んこになった衣服を洗って干せるように物干し場を設けているほか、食べ物や飲み物を温められるように電子レンジをプレーパークハウスの前に置くなどしている。ハウスは、授乳室としても活用できる。ハウスの中には、子どもたちに貸し出す遊具だけでなく、自転車の子どもたちのために空気入れも置いてある。午後は、放課後の小学生や近くの幼稚園児たちが次々と訪れ、遊びを楽しんでいる。「子育て中のお母さんの交流の場に」と、平日の午前10時から午後2時にはママカフェも開いており、小さな子どもを連れた母親たちがコーヒーを楽しみ、話し合っている。


子どもは遊びの天才。
プレーパークハウスに集う
子どもたち=同
 大垣公園のプレーパークでは、土曜・日曜日の午前10時から正午までの2時間、プレーパークハウス前で、工作や自然遊びなどのイベントが開催されている。参加費(材料費)100円を払えばだれでも参加できる。プレーリーダーたちは「同じプログラムは絶対しない」と、毎週自分たちで考えた遊びを提案している。「遊びの引き出し」を多くしたプレーリーダーたちは、幼稚園、保育園、小学校、子ども会などの要望に応じた「出張プレーパーク」なども実施。依頼のあった学校や幼稚園近くの公園で遊びの指導なども行っている。市内の玉池公園や墨俣さくら公園などにも出かけての、出張プレーパークも実施している。


水遊びをする子どもたち。
水で濡らした衣服の干場もある=同
 6月9日に公園を訪れるとプレーパークハウス前では、母親たちと訪れた子どもたちがプレーリーダーの指導で万華鏡づくりに取り組んでいた。また、「虫を捕まえたい。網を貸して」「こんな木が落ちていた。遊び方教えて」などと、次々と浅野さんたちに相談していた。そんな時でも浅野さんたちは「一緒に遊ぼうね」などと、優しく接していた。
 6月市議会でも子どもたちの居場所として評価されたプレーパーク。浅野さんは「大垣公園にプレーパークが誕生して8年。大垣公園を訪れる人は確実に増えてきている。一つの遊びをするだけでなく、遊具で遊んだあと別の遊びをするなどいろんな遊びを楽しんでいる。滞在型公園としてにぎわってきている。未来を担う子どもだけでなく、多くの市民のみなさんにも愛される公園のお手伝いをしたい」と、語る。
2018.07.02(子林 光和)

今回の西美濃な人

浅野 純一(あさの じゅんいち)

 元会社員。大学時代は山岳部に所属していた。NPO法人・緑の風は、自然の素晴らしさ、外遊びの楽しさを子どもたちに指導しているボランティアの集まり。今年も7月21日から8月5日まで、土・日曜日は川下り体験、平日は川遊びプレーパークを岐阜県西濃地方を流れる杭瀬川や水門川などで開催する。「大垣城石垣の秘密」と題したガイドブックも発刊している。周囲から「優しくて良く動く人」と信頼されている浅野さん。プレーパークの子どもたちからは「アサジ―」と、親しみを込めて呼ばれている。同県大垣市昼飯町在住。


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