「ティアレ」がオープンしたのは2011年4月。子供のころから飲食関係の仕事がしたかったという森島さん。ニュージーランドでの牧場体験を積んだり、飲食関係の会社で働いたあと、「30歳までに独立を」と、開店させた。これまでの体験から、「より多くの人に生まれ育った故郷を愛してほしい。もっとこの素敵な田舎を愛してほしい」と考えていた森島さん。販売する商品は、100%輪之内産のハツシモを使った米粉クレープと、若年層、特に女性に大人気のタピオカドリンクにこだわった。
こだわりは、地元の食材を使った料理などを提供する移動販売車仲間でつくる「フードポーターズ」にもある。森島さんたちのグループは、販売する商品、店づくりにもこだわりを持ち、独創性に誇りを持った仲間たちばかりだ。奥の細道むすびの地記念館前広場で開いた桜の季節の今春(3月30日〜4月14日)には15店舗、夏(7月20日〜9月1日)のビアガーデンには13店舗が日替わりで3店舗づつが出店した。森島さんは、夏のビアガーデンでは、飲酒できない人や子供連れでも気軽に立ち寄れるように毎日出店した。愛知県安城市で11月30日から12月23日までの土日祝日と12月24、25日に開かれている「くいしんぼクリスマス」にも出店する予定だ。こだわりのクレープは「米粉でつくられただけあって、クレープの皮はサクサクのフアフア。食べ進んでいくと、しっとりとしてきて、あっさりした味の皮だった」などと、食べた人たちから喜ばれている。このほか、県の緊急雇用対策事業に応募し、米粉を使ったロールケーキやピザの料理教室を開くなど、米粉加工の基礎技術を指導して地元の主婦たちの仕事の場つくりなどにも貢献している。
大垣市のご当地グルメ選手権では、梅と酒をこよなく愛した幕末の大垣藩藩老・小原鉄心に着目。一回目はノンアルコールの美味しい梅酒ゼリーを特製のクリームと一緒にクレープで包み込んだ「ハツシモクレープ〜鉄心」を出品した。二回目は冷凍したのを、オーブントースターで焼き上げた「ハツシモクレープ〜焼き鉄心」にした。森島さんは「楽しかった。機会があれば今後も挑戦していきたい」と意欲的だ。
「いろんな人とのふれあいの中でアイデアをいただいている。将来は輪之内町で固定店を持ち、輪之内町に多くの人がきてもらえるようにしたい。子供たちが大人になったらやりたくなるような仕事が輪之内町に、岐阜県にあるように、これからもお手伝いをしていきたい」と未来を見据えて話す。
2013.12.02(子林 光和)