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個性豊かに自由な発想で書く書「青水会遊び文字教室」主宰、高島 青水さん(69)


自作の遊び文字の
ポストカードを手にする高島青水さん
 「どの文字を大きく書くか決めて」「大きな文字をどこにもってくるか考えて」。岐阜県大垣市郭町の市多目的交流イベントハウスの遊び文字教室。高島青水(本名・美保子)さんの声が聞こえてくる。高島さんは、技法にとらわれずに自由な形、自由な発想で書く新しい書「青水遊び文字」の創作者。使う道具は、筆だけでなく、割り箸(ばし)や爪楊枝(つまようじ)、藁(わら)など、なんでもOKだ。「遊び文字はアート感覚で楽しめます。見る人の気持ちを優しくしてくれます。メッセージも伝えられます」と、語りかける。


遊び文字の練習をする生徒
=大垣市多目的イベントハウス
 高島さんは、本格的に書道を初めて45年のキャリアを持つ書家。日本書道学会師範で、書道教室の講師を務める。そんな高島さんが遊び文字を始めたのは2007年。「私たちが知っている書道とは違った絵手紙などで見られるアート的感覚で楽しめる文字。もっと楽しめる文字を」と、取り組んだ。「みほこの遊び文字」の商標登録もした高島さんは、2013年には大垣市の市民活動団体としての「遊び文字青水会」も設立して活動の輪を広げている。高島さんは「遊びですから、書道と違って筆順にもこだわらずに、この文字を大きくしたいな、と思ったらそこから始めます。自由な発想で書けますから個性が出せ、表現力も豊かになります。イメージしながら書くとうまくなりますよ」と、分かり易く説明してくれる。遊び文字教室では、生徒たちが筆だけでなく、割り箸や爪楊枝で文字を書いている。割り箸で書いていた男性は「割り箸だと、太い線や細い線もうまく書け、表現の幅もぐんと広がる。爪楊枝は小さな文字を書くときに便利」と、遊び文字の楽しさを熱く語る。


歌や踊りに合わせて
遊び文字を書く生徒=岐阜市
 「余白を大事に」と、生徒に語りかける高島さん。「作品を見た人が、そこ(余白)に何を埋めるのか、考えながら鑑賞してもらえたらうれしい。それによって、書き手と受け手が一体感がある作品になる。書き手とみる人の絆ができる。型にはまるのではなく、そのほうが面白い」と話す。遊び文字は、書く人だけでなく見る人の心も温かくしてくれる。


藁筆で書いた遊び文字を
披露する高島さん(右端)ら
 大垣市内だけでなく、岐阜市や本巣市などの計7教室で約100人の指導をしている高島さん。筆で書いた作品は、ふんわりとして見る人を優しく包んでくれる。生徒の中には、ポストカードにして友人に贈る人もいる。年賀状や暑中見舞いに出す人も。高島さんたちは、大垣市主催の「かがやきライフタウン大垣」の春、秋のつどいで、遊び文字の体験教室を開いたり、青田刈りした藁でつくった大筆を使ったステージパフォーマンスを披露するなど、遊び文字の魅力を多くの人に紹介している。昨年10月末に同イベントハウスで開いた「第4回青水会遊び文字書展」では、高島さんや生徒たちが作品約370点を展示。来場者の目を奪った。大垣市の観光に役立てればと、2016年10月には、市の「クールおおがき市民企画事業」の一環として、同市船町の奥の細道むすびの地記念館で、小学生以上を対象にした「遊び文字アート体験」を開き、同市の特産品の升に遊び文字を書く指導もした。岐阜市のアクティブGでは2015年以来、毎年1月3日に「文字パフォーマンス」を披露。今年も歌や踊りに合わせて「謹賀新年」や干支の「戌」などの文字を書いて通行人を楽しませた。昨年7月には、遊び文字を習う生徒たちが教室の枠を超えた『遊び文字文化交流会』を立ち上げるなど、遊び文字のすそ野は広がっている。
2018.02.01(子林 光和)

今回の西美濃な人

高島 青水(たかしま せいすい)

 エネルギッシュだ。岐阜県大垣市中心部を流れる水門川で開催される「水の都おおがき舟下り」や「水の都おおがきたらい舟」の下船場でライフジャケットやアンケートの回収をしたり、水門川クリーン作戦や大垣まつりのごみ拾いに協力するなど、ボランティア活動にも積極的。周囲は「笑顔が素敵でアイデアマン」と、称える。健康法は「教室で教えていること。みんなから力をもらっている」と笑う。好きな言葉は「前進」。大垣市見取町で、同市のかがやき成人学校でスポーツ吹矢の講師を務める夫と2人暮らし。


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