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スタイリストを夢見る平野学園清凌高校 生活デザインコース2年、佐藤 百恵さん(16)


ファッション甲子園で優勝した
佐藤百恵さん(右)と小川瑞歩さん
 「ファッションの本場でショーをナマで見たい。勉強してきたい」と目を輝かすのは、ファッションデザインを学ぶ高校生が2人1組になって作品を競う「ファッション甲子園2016(第16回全国高等学校ファッションデザイン選手権大会)」で初優勝した、佐藤百恵さんと、ペアを組んだ同校3年、小川瑞歩さん(18)。佐藤さんがデザイン画と衣装の製作、小川さんがモデルとなり栄冠を獲得した。2人は優勝特典として春休みにパリを訪問する。


優勝した佐藤さんのデザイン画
=清凌高校提供
 ファッション甲子園は、次世代を担う若者の人材育成を目指したファッションデザインコンテスト。青森県、同県弘前市、弘前商工会議所、青森県アパレル工業会が組織する実行委員会主催。毎年、弘前市で開催される。今回のテーマは「瑞々しい感性あふれるファッションデザイン」。ファッションを学ぶ全国141校から3190点の応募があり、デザイン画の第1次審査を通過した32校35組による本大会が昨年8月21日に弘前市で開かれた。
 優勝した作品名は「無機質な湖」。佐藤さんは「人々とのかかわりを持たなくなった人々の心の闇を湖の波紋に表現した」と言い、湖の波紋をイメージしてデザインした。春休みからデザイン画に取り組み約1カ月で完成させた。衣装は、白い布をグランドデザインして黒く染め上げ、湖の波を表現するために数百枚の透明のクリアファイルを縫い上げた。5月末から放課後や夏休みも返上して作り上げた。クリアファイルを2〜3センチ幅にカッターで切断する時に、誤って手の指を切り血染めになったこともある。コンテストでは、校内でのオーディションで選ばれた小川さんが衣装を着て登場。バレエを習っていた小川さんが何百枚ものクリアファイルで重たくなった衣装を着ながら、白鳥の湖のステージを軽やかに表現した。関係者は、コンテストでは衣装、ウォーキング、パフォーマンスが審査され、衣装のシンプルさ、パフォーマンスなどが高く評価されたのではないかという。


熱心に学ぶ清凌高校の生徒=同校で
 「絶対負けたくない」と、コンテスト前日まで衣装の手直しをした佐藤さん。小川さんも宿泊先の廊下で最後までショーの練習をしたと言い、2人は「優勝の瞬間は頭が真っ白になった。みんなも『おめでとう。良くやった』と言ってくれた」と、うれしそうだ。佐藤さんは「今年は高校生活最後の年。いろんなことを経験して実力をつけたい。将来はスタイリストを目指したい」。小川さんは「卒業後は、看護の道を歩みたい」と胸を膨らます。


平野学園清凌高等学校
=岐阜県大垣市清水町
 平野学園(岐阜県大垣市)は、地域のファッション教育に一生をささげた平野住江初代理事長が1944年に「和洋裁教授寿塾」を設立したのが始まり。65年に学校法人平野学園となる。その後、校名変更や新たに高校を設立するなどし、現在は清凌高等学校と大垣文化総合専門学校、キートスガーデン幼稚園・幼保園がある。清凌高校では、生活デザイン、福祉保育、国際ビジネス、大学進学・英語特講の4コースで個性を伸ばす教育をしている。
 平野学園生徒のファッション甲子園での成績は5年前に特別賞、前回は入賞しているが、優勝は今回が初めて。それだけに学園関係者の喜び大きく、平野順一理事長は「みなぎる上質の感性と一途に努力する姿は最高です」と称える。
2017.01.03(子林 光和)

今回の西美濃な人

佐藤 百恵(さとう ももえ)

 岐阜県海津市立城南中学校卒。友だちと話している姿は明るく笑顔が素敵な女子高校生。周りの人は「コツコツとなんでもこなす。しかし、こだわりがある生徒」と言う。好きな授業はスタイル画のデザインとか。クラブはバドミントン部。海津市南濃町在住。小川瑞歩(おがわ・みずほ)さんは、岐阜県神戸町立神戸中学校卒。昨年1月までバレエを習っており、明るくて表現力豊か。愛称は名前から「ウォーター」。手芸クラブ。神戸町在住。


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