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地域の魅力づくりに奔走する「時まちづくり活動推進実行委員会」、三輪 千加子さん(47)


三輪 千加子さん
 岐阜・滋賀県境の烏帽子岳(865メートル)のふもと・岐阜県大垣市上石津町堂之上のコミュニティーセンター内に併設された入浴施設「かみいしづ温泉・湯葉の湯」で、訪れた人たちと楽しく語らう三輪千加子さん。周りからは『番台さん』とか『番頭さん』と、親しみを込めて呼ばれている。「温泉が地域のお年寄りの憩いの場になっている。その姿を見るだけで楽しい。全国各地からもいろんな人が訪れてくれ、お友達になれてうれしい」と、話す。


多くの人が訪れる
かみいしづ温泉 湯葉の湯
 施設を運営するのは地元有志でつくる「かみいしづ温泉入浴施設運営検討委員会」。合併前の旧上石津町が10年前に掘削した源泉を活用。昨年12月、国や市の補助で実証実験として運営を開始した。浴槽はスギの間伐材を使った手作り。男女とも幅約1.6メートル。奥行90センチで定員はそれぞれ2人。隣接の温泉スタンドからナトリウム−塩化物泉で神経痛や関節痛、疲労回復などに効くという29.5度の湯をホースで引き、42度に保つ加温用のまきボイラーも設置してある。まきも地元のまきを使用している。営業は水、土曜日と第2、第4日曜日の午後1〜8時。入浴料は中学生以上300円、小学生100円。今年3月にいったん閉鎖されたが、地元住民を中心に根強い要望があり、4月に市の補助で再開した。
 三輪さんは、入浴施設横の畳の部屋に置いた机の前に座り、入浴客から料金を受け取ったり、ボイラーにまきをくべたりとこまめに働く。その間には、お客さんとにこやかに話し合う。1日平均20人強の利用者がある。利用者は地元住民だけでなく、三輪さんのブログを見た隣の三重県などの人や、烏帽子岳に登った人が帰りに立ち寄るほか、温泉マニアや秘湯めぐりの人など、東京や群馬、新潟など全国各地からも訪れているという。


手づくりプール&滑り台で
楽しむ子供たち
 三輪さんが地域の魅力づくりの取り組みを始めたのは約10年前。「高齢化と過疎化が進む時地区を何とかしなくては」と、地元有志が結成した「時まちづくり活動推進実行委員会」に入会したのがきっかけだ。時地区で生まれ育った三輪さん。仲間たちと堤防の草刈りや道路沿いに花壇を設置するなどの景観美化から始めた。「街道が交差するまち」として、時地区の商店街がにぎやかだったころを取り戻そうと、特産品づくりにも挑戦。和菓子「舞鶴」を40年ぶりに復活させた。入浴施設もその一環。「温泉施設で交流人口の増加を」と、仲間の輪を広げて検討委員会をつくった。実行委員会では、時地区への移住・定住にも力を入れており、8メートル四方の木枠を作ってビニールシートを張った手作りプールや滑り台、段ボール迷路なども手作りし、町内だけでなく大垣市中心市街地のイベントでも時地区のアピールをしている。活動の様子を写真撮影してインターネットを利用した情報発信も行っている。このような三輪さんたちの熱意が伝わったのか、時地区にはこの5年で東京などから5組の家族が移住してきた。今月も新たな家族が時地区の新住民になる予定という。


子供の関心を呼ぶダンボール迷路
 「時地区には長い歴史と、豊かな自然がある。それに住んでいる人の心は真っ直ぐ。良い人がいっぱいいる。私は『番台』でも『番頭』でも良いから、地域住民の願いでもある正式な温泉施設の番台に立ちたい。そして全国各地から温泉に入りに来た人と語り合いたい」と語る三輪さん。にこやかに話す笑顔からは頼もしさも感じられる。「かみいしづ温泉・湯葉の湯」の実証実験としての営業は来年3月22日まで。
2014.08.01(子林 光和)

今回の西美濃な人

三輪 千加子(みわ ちかこ)

 健康法は良く食べ、良くしゃべり、良く働くこと。「温泉で働いていることで、いろんな人との出会いがある。それが刺激になり、健康につながっている」という。手先が器用で手芸など多趣味。友達も多く、取材中も携帯電話の音が次々と鳴っていた。尊敬する人は「地元に住み、地元を良くしようと情熱を持って活動している先輩。何人もいます。私もそんな先輩に追いつきたい」と目を輝かす。大垣市上石津町下山の自宅で両親と会社員の夫、長女の5人暮らし。


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