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大垣つれづれ

  • かげろふの我肩にたつ紙衣哉
 奥の細道の旅に出る2か月ほどまえの元禄2年2月7日、江戸に来た大垣の俳人、津田嗒山の客舎で歌仙を巻いたときの芭蕉の発句である。自筆の懐紙には「冬の紙子いまだ着かへず」と前書きがあるという。曾良も居て「水やはらかに走り行(ゆく)音」と、きれいに脇を付けている。楮(こうぞ)の樹皮で漉いた厚手の和紙を揉んで柔らかくし、それを貼り合わせて藁や綿を入れ裏を付けて仕立てる紙衣(かみこ)、紙子とも書き帋衣と書いたりする。この言葉から私がまず思い浮かべるのは、東大寺二月堂の修二会、通称お水取りの11名の練行衆が別火の始まりから下七日の終り迄ずっと着用する純白のそれであり、14日間の激しい行法にすすけ痛んだその変容である。紙衣は一見寒そうに見えるが、意外に保温性が良く、題に使った句から見ると芭蕉もふだん紙衣を愛用していたらしい。いま私たちは「かみこ」と言い慣れてしまっているが、文芸に見える紙衣の歴史を研究された夏見知章氏の『芭蕉と紙子』によれば、紙衣と書いて「かみぎぬ」と訓じるのが古い形で、「かみこ」は室町末期以降の読みということだ。
 奥の細道の旅の最後の大垣で、芭蕉は最上あたりの人に貰い、以来ずっと使ってきた紙衾(かみぶすま)を門人如行の弟子である竹戸に与えてしまう。おまけに由来書である「紙衾ノ記」まで添えて。600里を踏破してきた芭蕉の身体を揉みほぐしてくれた心遣いへのお礼である。これは当然、芭蕉の直弟子たちの羨みの的となり、彼らはそれぞれ句に気持を訴えるが、なかでも曾良の句に痛切の思いがある。「畳目は我手のあとぞ紙衾」。私は毎日、それを畳んでいたのですよ、という訳だ。竹戸は鍛冶職とされるが、以前、タウン誌「西美濃わが街」に考察が載り、先祖が刀鍛冶、本人は芭蕉が大垣最後の夜に泊まった宿屋の主という新説が発表されたのはいまも記憶に新しい。さて問題は彼が貰った紙衾である。芭蕉とその周辺で紙衣は文にまた句につねに登場する。芭蕉は紙衣は旅に欠かせない、とくに夜に必要と言う。奥の細道の旅にも紙衣を持って旅立っている。でも紙衾の名が現れるのはここだけである。畳んで旅に持ち歩くのだから、衾(ふすま)と言ってもたいそうな布団である筈はない。まずは薄めの布団か、それに袖が付いた掻巻(かいまき)仕立てのものかと思って、先述の夏見氏のご本の頁を繰ると、同様な推察をしておられ、「普通の衣類の形をやや大形にして綿を入れた掻巻であったように想像出来る」、「芭蕉の旅における紙衣と紙衾は、ごく似たものに考えても大した誤りにはなるまい」と記しておられる。この紙衾の贈り主は誰だろう。酒田の豪商寺島彦助か、それとも医者の伊東玄順か。ともに俳人で曾良の旅日記に名前が出る。このころ伊達藩は白石の和紙の生産を奨励し、白石の紙衣は質の高さで知られていたから、贈物としてはその可能性がある。白石の和紙造りの伝統は何度か途絶しかかるが、研究復元されて、いままた上質の紙衣用の紙を漉いている。東大寺修二会の紙衣の紙は以前、宇和島製だったが、いまは白石のものを使っているそうだ。そもそも白石の紙造りの伝統は伊達藩と繋がりがある宇和島から移植されたと伝えるから、これも何かの因縁かも知れない。
2015.9.21

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