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情報共有で連携と交流を深める「大垣市ボランティア連絡協議会」会長、大橋 俊雄さん(76)


「後ろを向いていてはダメ。前を向いて」
と、語る大橋俊雄さん
=大垣市総合福祉会館
 「ボランティアとは自ら進んでやるもの。自分の出来る範囲で参加すれば良いのでは」と、語る大橋俊雄さん。交通事故で半身不随になり、車いす生活を送りながらボランティア活動に積極的に取り組む。「後ろを向いてはだめ。常に前を向かなければ。車いすだから被災地現場に行けなくても、書くことや話すことは出来る。被災地の受付なら出来る」と防災士資格も取った。10月27、28日に岐阜県大垣市馬場町の市総合福祉会館とその周辺で開かれる「福祉ふれあいボランティアフェスティバル」の準備委員も務める。「フェスティバルは90近い団体が協力して開催する。ぜひ会場に足を運んでほしい」と、呼びかける。


ボランティアフェスティバルが
開かれる大垣市総合福祉会館
=同市馬場町
 大橋さんが事故に遭ったのは1997年4月25日朝。名古屋市の勤務先の会社に通うため、当時住んでいた自宅から最寄りの電車の駅へバイクで向かう途中、信号のない交差点でワゴン車と衝突、首の骨を折るなどで10カ月入院した。「入院して3カ月くらいは、病院から飛び降りて死にたい、と思っていた」と、大橋さん。そんな大橋さんの気持ちを変えたのは、障害を持ちながらも活躍する人の姿をテレビなどで見たのがきっかけ。「後ろを向いていてはだめ。前を向かなければ」と、朝、昼、晩と辛いリハビリに積極的に打ち込んだ。


ボランティアフェスティバルの
打ち合わせをする役員会=同
 大垣市ボランティア連絡協議会に参加したのは約13年前。「こんな身体でどこまで出来るか分からないが自分で出来る範囲で」と、同協議会の「施設支援部会」に入った。同協議会は2005年10月の発足。施設支援、自立支援、子育て支援、災害救援、楽学、地域づくりの6専門部会を持ち、定例会や勉強会、施設訪問などを行っている。フェスティバルに協力するほか、3月には交流会も開く。7月1日現在の会員は61団体4887人。認定NPO法人「日本車椅子レクダンス協会」大垣支部長も務める大橋さんは、練習会を開くほか、仲間と高齢者福祉施設や障害者施設などを訪問し、車いすレクダンスを披露している。同協議会の活動拠点は市総合福祉会館1階の市ボランティア市民活動支援センター。9月6日には各部会代表者が集まり、同センターでフェスティバルに向けた役員会を開いた。


「ボランティアの集い」で
車いすレクダンスを披露する会員
=大垣市社会福祉協議会提供、昨年写す
 大垣市社会福祉協議会などでつくる実行委員会主催の「福祉ふれあいボランティアフェスティバル」は、今年28回目を迎える。今年のテーマは「あなたのえがおで みらいがひらく」。福祉会館5階では、27日午後に「ボランティアの集い」が開かれ、歌や踊り、器楽演奏による交流イベントのほか、健康体操や避難所での知恵袋(紙や新聞紙を使ってのマスクやスリッパづくり)がある。28日午前は、身障福祉大会・記念講演。演題は「手足に障がいのある方の自立と社会参加を支える介助犬」。両日とも4階では、身障作品の展示と販売、3階では、同協議会に加盟するボランティア団体の活動紹介やペンダント作成(エレベーター前)。会館西側駐車場では、おもちゃ病院の出張所が設けられる。会館東側駐車場では、非常炊き出しや試食コーナー、模擬店や福祉施設自主製品販売コーナーもある。
 昨年4月から同協議会の3代目会長を務める大橋さん。「交通事故のことは今もはっきりと覚えている。しかし、相手を恨むことはない。車いす生活だが元気に動けるし、書くことも話すことも出来る。元気なうちはボランティア活動を続けていきたい。みなさんもボランティアを始めませんか。」と、明るく話す。
2018.10.01(子林 光和)

今回の西美濃な人

大橋 俊雄(おおはし としお)

 柔和な人だ。和やかな語り口で周りを温かく包み込む。笑顔が素敵だ。車いす生活だが、ドライブが好きで自分で車いすを車に積み込み、名古屋市など各地に出かける。魚つりが趣味。かつては岐阜県本巣市の根尾川や郡上市の川にも車を運転しアユ釣りに出かけた。「カメラも好き。身体が動くうちはなんでも挑戦したい」と元気。年齢を重ねたり、病気などで車いすダンスをする仲間が少なくなったことが寂しいとか。2人の子どもと孫4人に恵まれる。子どもたちは独立し、現在は岐阜県大垣市津村町で妻と2人暮らし。


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