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社会に貢献できる人間育成をめざす「岐阜県立大垣東高校水球部」監督、白濱 健太さん(50)


「社会に貢献できる人間に」
と語る白濱健太さん
=大垣市民プール
 「こんにちは」「お願いします」。岐阜県大垣市新田町の市民プール。同県立大垣東高校(大垣市美和町)の水球部員たちが練習にやってきた。水球は「水中のハンドボール」とも言われ、取材前に描いていた「ごつい選手」とは違い、すがすがしい選手ばかりだ。白濱健太さんは「水球は球技。選手には得点の喜び、勝利の喜びを味あわせてやりたい。水球を通じて社会で貢献できる人間、人に愛される人間になってほしい」と指導理念を語る。


グループに分かれて
パスの練習をする選手=同
 大垣東高校水球部は、1974年の同高校創立とともに同市浅中に移設した県立大垣南高校の水球部を引き継ぐ形で創部された。大垣南高時代は国体2連覇など全国屈指の強豪だった。大垣東高水球部も創部2年目で三重国体出場。その後もインターハイ(全国高校総体)や国体出場など、優秀な成績を残していたが、入部者の減少や指導者の転勤など、厳しい状態の時期もあった。白濱さんが大垣東高監督に就任したのは1995年。2000年のインターハイ水球競技が大垣市で開催されることが決まり、大学の先輩からの依頼でやってきた。
 白濱さんが監督に就任して6年目。大垣市で開催されたインターハイでベスト8に入賞した大垣東高は全国大会の常連校に復活。2015年にはインターハイで3位、全日本ジュニア選手権で2位に入賞。昨年もインターハイでベスト4。卒業生の中には、18歳以下日本代表として世界ユース水球選手権やアジアエージグループ選手権に出場している選手もいる。


インターハイ東海予選を前に
実践練習をする選手=同
 普段は学校のプールで練習をしているが、距離が25メートルと短いので、県大会など大会が始まる前には、公式の試合と同じ30メートルの長さが使える市民プールを利用させてもらっている。インターハイ東海予選前の7月9日、市民プールで練習する大垣東水球部を取材した。プールには、31人の部員のうち、男子選手13人と女性マネジャー3人。選手たちは、ゴールをプールに設置するなどした後、さっそく練習。最初は泳力のアップとスピード強化。長い距離を泳ぐだけでなく、いかに短い距離を早く泳ぐかなどを重点に泳いでいた。30メートル往復10本などきつい練習もこなしていた。もう一方では、重さ約3キロのボールを持って水をけるなどの下半身強化を図る。さらに3人が1組になってのパスの練習。これが終わると2組に分かれて実践練習。プール横からは、白濱さんが「なんで」「考えろ」と、次々と指示。1時間近くも続く実践練習。この間、選手たちはプールの中でプレーを続けていた。


大垣東高の選手が練習する
大垣市民プール=大垣市新田町
 進学校だけに、選手の練習時間にも制限があり、平日は1時間半〜2時間半、休日は2時間〜5時間。このため、常にいろんなことに挑戦する白濱さん。選手たちにスペインやハンガリーに海外遠征を経験させたり、ヨガの講師や医学療法士を招いてのトレーニングなども行っている。高校生のレベルを上げるためににはジュニアを強くしなくてはと、かつての同高水球部監督や選手たちと協力して「大垣市水球クラブ」も発足させた。小・中学生だけでなく、高校生や大学生、大人も参加。会員数は全国トップクラスと言われる。
 練習には厳しい白濱さん。心は優しく、「マネジャーや多くのボランティアの人たちに支えていただいている。学校のプールにも屋根が出来た」などと、周りへの感謝を忘れない。選手たちには「インターハイや国体の全国制覇をさせせてやりたい。オリンピックで活躍する選手を育てたい」と語る。熱血漢だ。
2018.08.01(子林 光和)

今回の西美濃な人

白濱 健太(しらはま けんた)

 岐阜県立大垣東高校保健体育教師。大阪市住吉区出身。水球との出会いは大阪府高石市の浜寺水連学校(水泳教室)。小学5年生の時から始めたという。筑波大学卒。高校時代には大阪府選抜で国体4位入賞している。大学卒業後は、スペインのプロ水球チームに2年間所属した。バルセロナ五輪(1992年)では現地で新聞社のアルバイトもした。大垣東高校の監督になる前に1年間、同市立西部中教師も務めた。大垣市神明在住。


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