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考え努力する人間を目指す「大垣ジュニアフェンシングクラブ」代表、青木 伸行さん(51)


「考え努力する子どもたちに
育って欲しい」と、
語る青木伸行さん
 「手を伸ばして突く」「そうそう、うまい」。岐阜県大垣市加賀野の市総合体育館。大垣ジュニアフェンシングクラブの練習が始まった。「お願いします」の子どもたちの声とともに、指導者たちの声も響いてくる。とても剣と剣がぶつかり合う練習会場とは思えないほどすがすがしい雰囲気だ。小学校低学年の少年を優しく指導していた青木伸行さんは「子どもたちにフェンシングを好きになってもらうことが大切。そして、勝つためにはどうすればよいか。自分たちで考えて努力する、そんな子どもたちを育てていきたい」と、語る。


マンツーマンでのフェンシングの練習
=岐阜県大垣市総合体育館
 大垣ジュニアフェンシングクラブが誕生したのは1996年4月。「少年団や学校の部活にもないマイナーなスポーツにも力を入れよう」と、大垣市体育連盟のバックアップで設立された。高校は大垣市内にフェンシングの強い県立大垣南高校があるため、対象は小、中学生。クラブの方針は「礼儀やフェンシングのルール、技術などを覚えながら、『突いた』『勝った』の嬉しさ、『突かれた』『負けた』の悔しさを体験する。そんな中から、自ら考え、自ら進んで取り組める子どもを育てる」。指導するのは、青木さんのほか、大垣フェンシング協会が推薦する大垣南高校の卒業生ら。練習は原則土曜日の午後6時から3時間。水曜日の夜にも2時間の自由練習が行われる。優しさの中にも厳しさがある指導の中から子どもたちは実力をつけている。今年4月8日に富山県で開催された「第10回高岡少年少女フェンシング大会」では、小学4年以下男子と小学男子で優勝しているほか、小学女子でも2位と3位に入賞している。同クラブの卒業生の中には、国体やインターハイに出場するだけでなく、海外の大会で優勝している選手もいる。青木さんは「僕たちの力ではない。親がフェンシングをしていたとか、その選手の実力」と、謙そんする。


ペットボトルを使って
準備運動する子どもたち=同
 同クラブは、飛んだり跳ねたりと、いろんな身体を使うなど練習にも工夫を凝らしている。4月21日の練習会場を訪れてびっくり。会場には、ペットボトルや紙コップ、切断された段ボールなどを使った道具が用意され、準備体操を終えた少年や少女たちは、それを利用して跳躍するなどの準備運動をしていた。カラーボールを使った「構え」の練習もしていた。けがをしないように、準備体操や準備運動にたっぷりと1時間かけていた。それが終わると、マスク、プロテクターなどを付けて実践練習。指導者と子どもたちがマンツーマンのレッスン。昨年10月に入会したばかりという同県垂井町立表佐小3年、平塚葵温君(8)は「みんなとバトルするのが楽しい」と、うれしそうに話し、指導者の元へ向かっていた。子ども同士での練習もある。緊張の中にも充実した練習で、みんなが進んで実践練習に取り組んでいた。練習が終わると、みんなでモップを手に会場の清掃をしていた。


カラーボールを手に「構え」の
練習をする子どもたち=同
 クラブが設立した時から指導する青木さん。「フェンシングの体験、クラブへの入会はいつでもできます。剣やマスクなどの道具はお貸ししますのでいつでもどうぞ」と、呼びかける。その一方で、「近い将来、クラブの卒業生の中から、オリンピック選手が育ってほしい。それと、大学などを卒業したら、地元に戻って小・中学生らジュニアの指導者になってほしい。生涯スポーツとしてフェンシングに取り組んでもらえたらうれしい」と、優しく子どもたちを見つめていた。子どもが好きなんだ。
2018.06.01(子林 光和)

今回の西美濃な人

青木 伸行(あおき のぶゆき)

 公益財団法人・岐阜県大垣市体育連盟事業課長。大垣フェンシング協会理事。フェンシングとの出会いは県立大垣高校に入学してから。中京大学体育学部を卒業後、同体育連盟職員に。フェンシングだけでなく、冬はスキーや魚釣りにも出かける。若いころは、夏にはキャンプやバーベーキューなどにも親しんだが、最近は「根気がなくなった」と、やっていないとか。好きな言葉は「好きこそものの上手なれ」。同県輪之内町で妻と中学3年生の息子の3人暮らし。


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