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公園でのラジオ体操を通じて仲間たちとの触れ合いの輪を広げる、石原 淳吉さん(70)


「おはよう」と、みんなに気楽に
話しかける石原淳吉さん
 「おはようございます。今朝は天気が良くて気持ちがいいですね」「風があるので良いが、もう少し経つと暑くなりそうだね」。岐阜県大垣市郭町の大垣公園。毎朝午前6時半前になると、軽装の人たちが次々と集まってくる。NHKのラジオに合わせて体操する人たちだ。正月も雨の日も、そして雪が降ろうが続く恒例行事。誰が指導をするのでもなく、みんな好きな場所で体操を始める。どの顔もみな明るい。ラジオをセッとするなどの準備をする石原淳吉さんは「ラジオ体操のお蔭で、毎日健康で過ごせる。それに多くの人たちと触れ合うことができた。ありがたい。皆さんも気軽に参加してください」と、呼びかける。


ラジオ体操前に、
大垣公園内でごみ拾いをする石原さん
 参加者たちによると、大垣公園でラジオ体操が始まったのは約40年前。大垣市陸上競技協会の仲間たちが、市中心部にある大垣城などのランニングに合わせてスタートさせたという。それがきっかけとなり、現在にまで引き継がれてきた。少ない時には、2〜3人だけの時もあったが、今では少ない日でも20〜30人。多い日は50人近くにもなる。ラジオは、1台だけだったが、参加者が増え、広範囲に聞こえるようにと、参加者の協力で、3台になった。石原さんは、みんなが集まる前に聞こえやすいように3カ所にセットする。


お好み焼きを食べながら
話し合う仲間たち=大垣市内
 石原さんがラジオ体操の仲間に入ったのは7年前。病気で入院生活を送った石原さん。「健康になりたい」と、自宅周辺を歩き始めて大垣公園で行われていたラジオ体操と出会った。それ以来毎朝、散歩を兼ねてラジオ体操に参加している。「元気になれたお返し。少しでもお役に立てば」と、散歩の前には、大きな紙袋を手に自宅から公園までの約1キロの道路沿いや公園に捨てられているタバコの吸い殻やペットボトルなどのごみ拾いもしている。参加者との出会いを大切にする石原さん。2年ほど前からは参加者に呼びかけて月1度土曜日の夕方、お好み焼き会を開いている。7月1日には、男女13人が出席。お好み焼きや焼きそばなどを食べ、気楽に話し合っていた。中には軽く一杯やる人たちもいた。


ラジオに合わせて
元気に体操をする参加者=大垣公園
 ラジオ体操に参加している人たちは、健康のために散歩していて偶然見かけて始めた人や腰痛を治したい人、ボケ防止など、理由は様々。大垣公園近くの女性(81)は「始める前は腰が痛くて整形外科に通っていたが、病院の待合室に張ってあった紙に『腰や肩の痛みには毎日10分間の体操が良い』と書いてあったのでラジオ体操を始めた。40年近く続けており、元気で過ごせ今もクロールで泳げる」と、ラジオ体操の効用を話す。腰痛が治ったり、足が上がるようになった人もいる。参加者は50代以上が大半。時折、自転車で参加してくる若い女性の姿も見られる。土曜、日曜となると、若い親子連れも一緒に体操している。みんな仲良しで顔を覚えているのか、長期間休んでいた人が出てくると「どうしとった。久しぶり」と、親しく話しかける。旅行土産のお菓子や絵葉書、自宅で実った夏ミカンを参加者にプレゼントする人も。参加者たちは「この気楽さ、雰囲気が良い」という。
 「ここのラジオ体操は、出席カードもハンコもない。体の調子が悪かったり、用事があれば休めばよい。自由参加。これからも歩けるうちは、参加してみんなと触れ合っていきたい」と、気軽にみんなとあいさつを交わす石原さん。その笑顔が参加者に元気を与えているようだ。 いつまでも元気で頑張ってもらいたい。
2017.08.01(子林 光和)

今回の西美濃な人

石原 淳吉(いしはら あつよし)

 岐阜県神戸町出身。同県大垣市で、雑穀や砂糖、れんげ種子の取り扱いをしていた会社の元経営者。西濃地方だけでなく、幅広く商売をしていた。現在は「感謝している」と言う奥さんと2人でのんびりした生活とか。大垣青年クラブや大垣東ライオンズクラブにも在籍していた。「青年クラブでは遊びや酒の飲み方を教えてもらった」と当時を懐かしそうに振り返る。同県立大垣商高時代は陸上部員。大商62回生の世話人も務める。野球と相撲観戦が趣味。特に、相撲は「早くから強くなると確信していた」白鵬ファン。同市俵町在住。近く長男家族も敷地内に引っ越してくる予定。


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