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観光客らに大垣市の魅力を紹介する「ふるさと大垣案内の会」会長、種田 弥生さん(69)


「喜んでもらえることが励みになる」
と語る種田弥生さん
 空襲で焼失するまでは国宝だった大垣城、松尾芭蕉の俳諧紀行「奥の細道」のむすびの地となった船町・川湊など、岐阜県大垣市には多くの観光地がある。そんな大垣市の魅力をより多くの人に知ってもらおうと、観光客らの案内をする、観光ボランティアガイド「ふるさと大垣案内の会」。真心込めた案内に「先日はありがとうございました。みんなが喜んでくれました。企画した者としてはうれしい。今度はゆっくりと時間をかけて訪ねたい」などの声や礼状が会へ寄せられている。創立当時からの会員で、今年4月から第5代会長を務める種田弥生さんは「うれしい。その一言が私たちの励みになる」と、笑顔で話す。


観光客に句碑の説明をする案内の会会員
=大垣市船町
 「ふるさと大垣案内の会」が誕生したのは1999年10月1日。大垣城公園一帯で翌年の春から秋にかけて開催された、天下分け目の戦い・関ケ原合戦400年を記念したイベント「合戦関ケ原大垣博」を成功させるためにも観光ボランティアが必要、と市が主導する形で結成された。創立当時の会員は市が企画した勉強会などに参加した種田さんら31人。同市船町の船町公園の一角に観光案内所を兼ねたボランティアガイドセンターが設けられ、活動を開始した。現在の会員は、会社員、薬剤師、元公務員、専業主婦など、50代から80代の71人。会員たちは、勉強会などを開く一方、先進地に研修を兼ねて視察に行くなどして案内の腕を磨いてきた。大垣市の元市史編さん室長ら郷土史の研究家を講師に招いて、一般市民も参加できる「歴史観光講座」も開いている。市町村合併で旧上石津町や墨俣町が大垣市に編入されてからは両町に支部を開設、両町でも講座を開いている。今年度からは会員企画の「水都探訪会」も開始し、市内の史跡や寺などを視察して勉強を重ねている。文化庁の助成を受けて「観光ガイドマップ」も作成した。ガイドセンターは、2012年4月に、芭蕉を顕彰する「奥の細道むすびの地記念館」が船町にオープンしてからは、記念館の中に移動した。移動してからのボランティアガイドによる案内件数は、昨年度を除き、年間300件以上、人数にすると7000人近くにもなる。今年度はそれ以上になりそうな勢いだ。


講師を招き、ふるさとの歴史を学ぶ会員
=案内の会提供
 岐阜市から大垣市に嫁いできた種田さん。高校時代の友人に大垣市の案内を頼まれたが、大垣・戸田藩の歴代藩主の名前も知らないことに気づき、「大垣の歴史が知りたい」と、市が開いた歴史講演会などに参加したのがきっかけで会員になった。今では大垣・戸田藩の初代藩主・氏鉄公のことを「うちのお殿さま」と言うほどの愛着ぶり。同会にとって女性初の会長となった種田さん。「自分はなんでもやってみたい性格」と話し、各地のボランティアガイドとの交流や耳が不自由な人の案内のための手話勉強会なども積極的に取り入れている。案内をする人たちに喜んでもらえたらと、どこの市や町から訪れる人たちかを調べるなど、下準備も怠らない。「歴史の好きな人、おしゃべりの好きな人、元気な人は私たちと一緒にボランティアガイドをやってみませんか」と、会への参加を呼び掛ける。


奥の細道むすびの地記念館の
館内にはガイドセンターもある
 観光案内は原則無料。旅行会社やバス会社からの申し込みはガイド1人に対し、交通費として1000円が必要。案内希望者は、ふるさと大垣案内の会の事務局がある大垣観光協会(電話0584-77-1535、FAX 0584-81-8828)へ、2か月前から1週間前までに申し込む。当日飛び込みも、会員の余裕があれば受け付ける。
2016.12.01(子林 光和)

今回の西美濃な人

種田 弥生(おいだ やよい)

 「子どもに手がかからなくなったころから習い始めた」と言うが、短歌やマジック、墨彩画など、多方面で活躍する。特に短歌は、2008年度NHK全国短歌大会で特選に輝いたほか、岐阜県大垣市文芸祭で最高賞の文芸祭賞を3回受賞している実力者。着物のリメイクが趣味で、自分で着る洋服なども古い着物を活用して作ることもあるという。明るく朗らかで、ふるさと大垣案内の会の会員たちは「会員の意見を良く取り入れてくれる面倒見の良い会長」と、親しみをこめて話す。健康法は、毎朝のテレビ体操。テレビの放映に合わせて運動することとか。大垣市檜町在住。


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