「大垣市歴史民俗資料館」のオープンは1982年10月5日。1968年に始まった美濃国分寺跡発掘調査と、その後の整備を経て、国分寺や古墳など、同市の考古資料と民俗資料の一部を紹介する施設として建設された。現在、考古資料約1000点、民俗資料約1500点が収蔵されている。資料館の2階では、一般市民の写真展や折り紙、習字、手芸などの作品展のほか、企画展や連続講座などが開かれる。今年も10月8日〜11月20日には、企画展「古代からの大道脈 赤坂・青墓界隈」、さらに12月10日〜来年1月22日には企画展「和凧の世界」が計画されている。11月27日からは連続講座「古墳の基礎知識」が始まる。昨年11月には、1階考古資料展示室の弥生・古墳コーナーのリニューアルも完成した。
同資料館が力を入れているのが「子ども向けスペッシャル」。今年5月3〜5日の「こどもの日特別体験・昔の道具を使ってみよう」には、3日間で約200人の親子が参加し、炭火アイロンやてんびん棒、洗濯板などの昔の道具を使って楽しく遊んだ。7月31日には「夏休み親子体験教室・昼飯大塚古墳模型を作ろう」が開かれ、親子20人が、段ボール紙や紙粘土を使って約600分の1の古墳の模型を作った。根気のいる作業だったが、参加者たちは砂利をボンドで張り付け、葺石代わりにするなどうれしそうだった。8月7日と11日にあった第二弾の「夏休み親子体験教室・勾玉づくりに挑戦しよう」では、古代のアクセサリー・勾玉をやわらかい石・滑石で作った。勾玉づくりに挑戦する子どもたちの顔は輝いていた。12月4日には、火鉢でもちを焼いて食べたり、正月遊びをする「親子体験教室・火鉢であたたまろう」が計画されている。このほか、出前講座として希望のあった市内の小学校を訪れて、昔の道具を紹介し、触れてもらう「昔の暮らし」も開催している。
子どものころから、地理や歴史が好きだったという武藤さん。大学の卒業論文には古墳のことについて書いたという。「土の中に埋まっていた歴史の復元にはロマンがある。歴史に興味を持ってくれる子どもたちが1人でも増え、未来につないでくれたら…。子どもたちは、頭の中の知識だけでなく、物を作ったり、触ったりすることで想像力豊かな人間に育ってもらいたい。紙粘土を使って古墳の模型を造るなど、立体的な物をつくることで子どもの手先が器用になってくるはず。仲間と誘い合って参加してほしい」と、呼びかける。
大垣市歴史民俗資料館の開館時間は午前9時〜午後5時。休館日は火曜日(祝日の場合は翌日)と祝日の翌日、年末年始の12月29日〜1月3日。入館料は一般100円、高校生以下無料。20人以上の団体は半額。電話0584-91-5447。
2016.09.01(子林 光和)