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地区住民たちの楽しい学びの場「宇留生社会学級」の学級長、清水 雄二さん(69)


「内容を充実させていきたい」
と語る清水雄二さん
 岐阜県大垣市の「宇留生社会学級」。今年4月に開設68年目を迎えた。準備段階の2年を加えれば、実質70年目。地区住民の生涯学習の場として宇留生地区の住民たちがずっと守り続けてきた。戦後間もなく全国各地に開設されたという「社会学級」。各地区で独自の活動を続けてきたが、大垣市内で現在まで名前を変えずに残るのは宇留生地区のみ。宇留生社会学級は「学びの場」であり、「触れ合いの場」として、部屋の中からは学級生たちの楽しそうな声が絶えない。清水さんは「地区住民の向学心の表れ。そして皆さんの地域を愛する気持ちが強いことと地区の団結の結果。もちろん先輩たちの努力のお蔭」と、語る。


真剣な表情で
講師の話しを聞く学級生
 宇留生社会学級がスタートしたのは、1949年4月。現在の学級生は、60代〜80代の約50人。月例会を原則として毎月第4月曜日の午後7時から約1時間、宇留生地区センターで開いている。月例会では、講師を招いての学習だけでなく、落語や吹奏楽を聴いたり、研修旅行にも出かけている。落語は宇留生地区社会教育推進協議会主催で宇留生社会学級主管の「宇留生寄席」。5年前から毎年2月に開催されており、今年も一般の人を含め約160人が参加した。吹奏楽は、地区の子どもたちが通う大垣市立西部中学校の「吹奏楽部特別演奏会」。今年も9月に第5回を予定している。毎年10月に実施しているのが「研修旅行」。昨年は、一般公開された京都御所や祇園、八坂神社など京都市内を見学した。1月には懇親会を兼ねた「新年互礼会」。8月は学校と同じ夏休み。連絡は学級生の近くに住む宇留生小児童が学校を通じて届けてくれるなど、地域と一体となった活動を続けている。多年の活動に対して、1971年度と2002年度の2回、大垣市教育委員会の表彰を受けている。


講師と楽しくやりとりをする学級生
 学級の運営や講師の選択などの事業計画は、顧問と学級長、副学級長などの世話役で決めて4月の総会で学級生に報告、了承を経ている。講師は「ふるさとの歴史」「生きがいと健康」「教育」「時事問題」など学級生が望む課題を話してくれる人を探す。あまり硬くなると、月例会への参加が悪くなり、講師探しが大変だ。しかし、清水さんは「みなさんに楽しんでいただけたらうれしい」と、幅広い交友関係を活かして講師を見つけている。
 2015年度最後の月例会となった3月28日。講師は、ロンドンオリンピックのフェンシング女子フルーレで団体7位入賞した岐阜トヨタ自動車の平田京美さん。平田さんは岐阜市出身で清水さんの専修大学の後輩。平田さんは「フェンシングを通して学んだこと〜オリンピックまでの道」と題して講演。中学までは陸上の選手だったが、岐阜県立羽島北高校でフェンシングに出会ったことやフェンシングの魅力、オリンピックに出場できた喜びを語った。最後に「チャンスは皆に与えられている。諦めたら駄目。夢や希望、目標を持ち続けてチャレンジする」ことの大切さなどを話した。途中では、フェンシングの剣を学級生の手に握らせ、説明もした。会場からは「体重や身長は試合に影響するのか」「剣で突いてはいけないところはあるのか」「誰でもやれるのか」などの質問が次々飛び出し、真剣な中にも和やかな雰囲気だった。時には笑い声も飛び出し、学級生はうれしそうだった。


宇留生社会学級の活動拠点・
大垣市宇留生地区センター
 「100人近く学級生がいた時もある。逆に約30人に落ち込んだことも。あと10人は増やしたい。これからも皆さんに楽しんでもらえるように内容を充実させていきたい」と、話す清水さん。その言葉からは社会学級への強い思いが伝わってくる。
2016.05.02(子林 光和)

今回の西美濃な人

清水 雄二(しみず ゆうじ)

 元大垣荒尾郵便局長。大垣市文化事業団事務局次長も歴任した。義理の祖父や父親も務めた宇留生社会学級長には2013年に9代目として就任。学級生たちからは「ネットワークが広く、いろんな情報を良く知っている。学級長としてうってつけの人」と喜ばれている。健康法は「スポーツジムに通っていることと、ウォーキング。それに庭と畑の草取りかな」と笑う。好きな言葉は「素朴であれ」。大垣市牧野町で妻と義母、次女との4人暮らし。


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