宇留生社会学級がスタートしたのは、1949年4月。現在の学級生は、60代〜80代の約50人。月例会を原則として毎月第4月曜日の午後7時から約1時間、宇留生地区センターで開いている。月例会では、講師を招いての学習だけでなく、落語や吹奏楽を聴いたり、研修旅行にも出かけている。落語は宇留生地区社会教育推進協議会主催で宇留生社会学級主管の「宇留生寄席」。5年前から毎年2月に開催されており、今年も一般の人を含め約160人が参加した。吹奏楽は、地区の子どもたちが通う大垣市立西部中学校の「吹奏楽部特別演奏会」。今年も9月に第5回を予定している。毎年10月に実施しているのが「研修旅行」。昨年は、一般公開された京都御所や祇園、八坂神社など京都市内を見学した。1月には懇親会を兼ねた「新年互礼会」。8月は学校と同じ夏休み。連絡は学級生の近くに住む宇留生小児童が学校を通じて届けてくれるなど、地域と一体となった活動を続けている。多年の活動に対して、1971年度と2002年度の2回、大垣市教育委員会の表彰を受けている。
学級の運営や講師の選択などの事業計画は、顧問と学級長、副学級長などの世話役で決めて4月の総会で学級生に報告、了承を経ている。講師は「ふるさとの歴史」「生きがいと健康」「教育」「時事問題」など学級生が望む課題を話してくれる人を探す。あまり硬くなると、月例会への参加が悪くなり、講師探しが大変だ。しかし、清水さんは「みなさんに楽しんでいただけたらうれしい」と、幅広い交友関係を活かして講師を見つけている。
2015年度最後の月例会となった3月28日。講師は、ロンドンオリンピックのフェンシング女子フルーレで団体7位入賞した岐阜トヨタ自動車の平田京美さん。平田さんは岐阜市出身で清水さんの専修大学の後輩。平田さんは「フェンシングを通して学んだこと〜オリンピックまでの道」と題して講演。中学までは陸上の選手だったが、岐阜県立羽島北高校でフェンシングに出会ったことやフェンシングの魅力、オリンピックに出場できた喜びを語った。最後に「チャンスは皆に与えられている。諦めたら駄目。夢や希望、目標を持ち続けてチャレンジする」ことの大切さなどを話した。途中では、フェンシングの剣を学級生の手に握らせ、説明もした。会場からは「体重や身長は試合に影響するのか」「剣で突いてはいけないところはあるのか」「誰でもやれるのか」などの質問が次々飛び出し、真剣な中にも和やかな雰囲気だった。時には笑い声も飛び出し、学級生はうれしそうだった。
「100人近く学級生がいた時もある。逆に約30人に落ち込んだことも。あと10人は増やしたい。これからも皆さんに楽しんでもらえるように内容を充実させていきたい」と、話す清水さん。その言葉からは社会学級への強い思いが伝わってくる。
2016.05.02(子林 光和)