「てるてる座」は2010年5月に歌が好きな仲間たちで結成。現在のメンバーは3歳から80歳代までの男女15人。3歳の子どもは菊川さんの孫。その他は、美容師やケアマネジャー、会社員、スナックのママなど職業も様々。ステージでは、会場のお年寄りに合わせて昭和の懐かしい名曲を中心に、歌の好きなメンバーが自慢の歌声を披露するほか、ユーモアを交えた話術で会場に笑いと感動を与えている。4年前からは演歌などの曲に合わせて三味線を弾くように栓抜きでスコップを打ち鳴らす「すこっぷ三味線」を取り入れるようになった。昨年12月6日に青森県五所川原市で開催された「第9回津軽すこっぷ三味線世界大会」では、13チームが出場した団体の部で堂々の初優勝に輝いた。個人の部でも菊川さんが特別賞を受賞した。初出場した前年は団体3位だった。「てるてる座」は、チャリティー募金活動もしており、2014年の100回公演達成記念では東北地方の震災被災地へ、昨年の200回公演達成記念では大垣市社会福祉協議会へそれぞれ寄付をしている。
300回となったのは1月8日に大垣市日新地区センターで開かれた公演。全国的に大雪となった1月25日には同市内の老人福祉施設を慰問。歌を披露するだけでなく、会場のお年寄りの席まで足を運び、「歌を聴いてくれてありがとう」などと声を掛けて手を握るなどしていた。お年寄りの中には、涙を流して喜ぶ人もいた。メンバーの歌に合わせて歌ったり、踊ったりするお年寄りもいて、終始楽しい雰囲気だった。評判は口コミで広まり、最近は西濃地方だけでなく、岐阜市や各務原市、三重県四日市市などへも公演に出かけている。1日に午前と午後の2回公演する日もあり、年末の多い月には15回以上になったことも。今年は名古屋市や福井県敦賀市、富山県高岡市などからもお呼びがかかり、うれしい悲鳴。
300回公演達成記念ライブは4月24日午前9時半から午後4時。メンバーのほか、大垣女子短大など岐阜県内の大学などからもオーケストラやよさこいなどのチームが友情出演する。特別ゲストとして青森県津軽すこっぷ三味線の家元の出演も予定されている。入場無料。「自分たちが楽しみ輝く、そして見ている皆さんが輝く。この心得で楽しく活動を続けてきた」というてるてる座。100回公演達成記念は地元・大垣市のスイトピアセンター、200回の時は同市墨俣町のさくら会館でライブを開催してきた。300回は隣町の垂井町に会場を移した。菊川さんは「これからも活動を通して、皆が楽しみ、喜び、そして成長できるようにメンバー一同頑張ります。今後ともよろしくお願いします」と話し、「記念ライブには多くの人に来場していただきたい」と、呼びかけている。
2016.03.01(子林 光和)