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子どもたちに絵本の読み聞かせをする「お話の会・大きな樹」代表、木村 清子さん


「お母さんが読んであげるのが一番」
と話す木村清子さん
 「チリン、チリン。お話が始まります。みなさん集まって下さい」。岐阜県大垣市立図書館1階児童閲覧室で、小さな鐘を鳴らしながら会員たちが読み聞かせの始まりを知らせる。その声に合わせて子供たちが児童閲覧室の一角に設けられた「おはなしコーナー」に駆け寄ってくる。会員たちが絵本を読み始めると子供たちは静かに聞き入っている。読み聞かせは、同図書館が現在地に移転開館した1980年1月に始まって以来35周年にわたり毎週土曜、日曜日に1回も休まずに開かれている。木村さんたちは「やっていて楽しい。聞いている子どもたちの目はキラキラ輝いている。笑顔が素晴らしい」と、うれしそうに話す。


絵本の読み聞かせをする会員
=大垣市立図書館
 「大きな樹」の誕生は図書館の移転開館と同じ日。一人でも多くの子どもたちに読書の楽しさを伝えていきたいと、1年間の準備を経て発足。現在の会員は子どもと絵本が大好きな20代〜80代の女性43人、男性2人の計45人。職業も会社員、自営業者、教職員、公務員、パート従業員、主婦と幅広い。読み聞かせは午後2時〜2時半。会員たちが8グループに分かれて毎回4〜5人づつ、絵本の読み聞かせや紙芝居の上演、お話をしている。読む絵本は「子どもたちが思いついた時に手にしやすい本と、できるだけ図書館に置いてある本」にしている。「内容や結末も知らずに、子どもたちに本を読み聞かせることは絶対ない」と、会員たちは、図書館に来る前に自宅で何度も練習してくる。紙芝居を取り入れているのは子どもたちの集中力を切らさないように変化をつけるためと言う。
 読み聞かせる絵本は集まった子どもの年齢に合わせて変わる。9月20日は、秋の大型連休・シルバーウィーク中のためか保育園児や幼稚園児が多く、読む絵本は少し時間が長めの6冊と途中に紙芝居1巻。同月26日は小さな子どもたちが多数で、「おつきさまこんばんは」や「くだもの」など、読む時間が短い絵本8冊と紙芝居1巻。読む本は会員に任せられているが、終わった後に反省会を開いたり、読んだ本を連絡帳に記録しておき、ダブらないようにしている。読み聞かせが始まる前には、会員たちが子どもたちに「こんにちは。待っていてくれたの」「運動会はもう終わったの」「待っていてくれてありがとう」などと優しく話しかけていた。終わると「また来てね」「どうだった」などと話していた。



楽しそうに紙芝居を見る子供たち
=大垣市立図書館
 「大きな樹」は、図書館での読み聞かせのほか、要望に応じて小学校や保育園、幼稚園などを訪れて、絵本の読み聞かせや紙芝居の上演などをしている。発足直後は「ボランティアの読み聞かせグループは東海地方で初めてでは」とも言われ、大垣市内だけでなく、西濃地方各地に出かけて読み聞かせをしていた。現在も、隣の養老町まで年に2回出かけている。木村さんや会員たちは、大垣市が生後4カ月の赤ちゃんに絵本をプレゼントするブックスタート事業にも関わり、保健センターで健康診査を受けた母子に対面で絵本を読み聞かせている。さらに、毎年春と秋の読書週間には「おはなしひろば」なども開いている。


読み聞かせをした後、
反省会を開く会員たち
 木村さんは「子どもにはお母さんが本を読んであげるのが一番。それに勝るものはない。本を読んでいる時のお母さんはやさしい声になる。私たちも本の好きな子どもに育ってもらえるようにこれからもずっと読み聞かせを続けていきたい。そのための新しい仲間を募集しています。一緒にやりませんか」と呼びかけている。問い合わせは事務局のある同図書館(電話 0584-78-2622)へ。入会は毎年4月。
2015.11.02(子林 光和)

今回の西美濃な人

木村 清子(きむら きよこ)

 子どもの頃から本に囲まれた生活。今も「小さな字は読めなくなったが、読書が趣味の一つ。本を買ってくれた親に感謝しています」と話す。子どもと一緒に図書館に来て、読み聞かせを聞いたのがきっかけで「大きな樹」の会員になって約30年。昨年4月から代表。健康法はウォーキング。友だちと夜1時間ほど歩く。大垣市内で義父と夫、息子夫婦、孫2人の7人暮らし。5歳と3歳の孫に家でも毎日のように読み聞かせをしている。


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