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甲冑パフォーマンスでおもてなしをする軍団「関ケ原組」代表、田邊 高久さん(44)


島左近を演じる田邊高久さん
 1600(慶長5)年9月15日、徳川家康を総大将とする東軍と、石田三成が指揮する西軍が争った「天下分け目の関ケ原の戦い」。決戦の地となった岐阜県関ケ原町には歴史愛好家たちが国内だけでなく海外からも訪れる。そんな人たちに心を込めておもてなしをしているのが甲冑(かっちゅう)ボランティアや鉄砲隊など。「甲冑パフォーマンス軍団 関ケ原組」も同じだ。関ケ原の戦いで三成が陣を置いた笹尾山ふもとの特設ステージで甲冑劇や演武などのパフォーマンスを演じる。田邊さんは「メンバーは歴史と、戦国武将、そして関ケ原が大好きな仲間たちばかり。関ケ原は歴史の聖地。訪れた人に少しでも喜んでもらえればうれしい」と、明るく話す。


甲冑劇を披露する関ケ原組
(※写真撮影:奏さん)
 「関ケ原組」の結成は2011年。関ケ原町が「歴史のまち・関ケ原」を全国に発信するために毎年秋に開催しているイベント「関ケ原合戦祭り」の合戦絵巻などに甲冑姿で参加した人や、駐車場の整理などに協力したボランティアたちらが集まって組織した。当初は町の歴史的イベントが開催された際の駐車場係などのボランティアとして活動するほか、毎年12月に開催されるイベントで甲冑パフォーマンスを演じていた。多い時には31人いたが、現在は高校1年生から44歳までの男4人、女11人の計15人。学生以外は全員サラリーマン。地元・関ケ原町在住は田邊さんだけ。他は本巣市や垂井町のほか、県外の埼玉県や静岡県、石川県、大阪府などからイベントがあると駆け付ける。今年度からは関ケ原町が5月から11月に同広場で開催しているイベント「関ケ原笹尾山交流広場」(11月は23日)にレギュラー出演しており、毎月1回、甲冑劇などのパフォーマンスを披露している。9月28日には、甲冑劇「鬼左近爆誕」を披露した。三成を支えた武将・島左近の勇猛な働きや人間像を描いた約20分の歌や踊りも交えた劇で、主役の左近は田邊さんが演じた。劇では、関ケ原の戦いの前哨戦となった岐阜県大垣市の杭瀬川の戦いの場面も登場し、訪れたファンを喜ばせた。同時に開催された「関ケ原陣跡ウォーキング」の参加者たちもくいいるように見入っていた。田邊さんやメンバーは「関ケ原もののふコンテスト」や「関ケ原クイズバトル」にも参加し、楽しいトークなども繰り広げた。


決戦の地・関ケ原が大好きな仲間たち
 メンバーたちが演じる武将は、島左近や細川忠興、キリシタン大名の高山右近、さらに徳川家康の三男で徳川幕府2代将軍となった秀忠ら。メンバーの中には、何十万とする自前の甲冑を持っている人もいる。甲冑劇の脚本を担当するのもメンバー。戦国武将らを主役にしたドラマを書き、イベントで発表する1〜2週間ほど前にメンバー限定のネットコミュニティ上に公開する。メンバーたちはそれをダウンロードしてイメージを膨らませる。全体練習はイベント前日にイベント会場近くの笹尾山交流館で1日かけて行う。


観光客たちのカメラに収まる田邊さん
 「遠くから来ているメンバーたちは交通費や宿泊費などの費用も大変ですが、みんな決戦の地・関ケ原が好きなので楽しんでやってくれている。関ケ原組は人と人とのつながりでできている。応援してくれる人も増えてきている。仲間がいる限りは続けていきたい。さらに他のイベントにも出かけていろんなことに挑戦していきたい」と、田邊さんたちは常に前向き。関ケ原町の西脇康世町長も「関ケ原組には良くやってもらっている。交流広場は今年度で終わるが、今後も別の形で協力をお願いしていきたい」と話す。
2014.11.04(子林 光和)

今回の西美濃な人

田邊 高久(たなべ たかひさ)

 名古屋市の漆器会社に勤務。好きな武将は島左近。「知略があり強い。義の人。謎が多いのも魅力」と言う。関ケ原組としてのイベントだけでなく、甲冑ボランティアとして雨や雪が降るか余程のことがない限り土曜、日曜は甲冑を着けて笹尾山で関ケ原の戦いのガイドをするほか、観光客らと一緒に写真に収まる。「甲冑を着て歩くので風邪はひかなくなったが、夏は非常に熱い。サウナみたい」と笑う。メンバーからは「時間や礼節には厳しいが、親しみやすい人」と信頼は厚い。関ケ原町陣場野で妻と2人の子供、両親の6人暮らし。


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