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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

乳幼児期から大人まで途切れのない支援と多職種連携の大切さ

 昨日、「先生、内定しました!」と、嬉しいメールが届きました。小学生の頃から心配してきたIさんの就職内定の報せです。早速お母さんに電話をして、「本当に良かった!」と喜びを分かち合いました。

 ところで、発達障害者支援法ができて十数年が経ちましたが、発達障害に関する理解が進んでいるのでしょうか。世の中の理解も、家族や行政もまだまだという気がしています。

 自分の子の特性を否定しつづける親さんや、逆に「発達障害だから何をやったって仕方ない。」と、開き直られる親さんもいらっしゃいます。誤学習をしてしまって自分以外は皆悪いと言って、わがままを通す子や、叱責の積み重ねで二次障害になってしまった子、強度行動障害になってしまった人たちなどを目にすると、私たちは何ができるのか悩みます。

 行政はどうでしょうか。教育、保健、福祉、医療などが連携していかなければならないと、ずっと言われ続けているにもかかわらず、少数の時代錯誤の人たちによって、後退させられていく施策の現状を、私たちはただ指をくわえて見ていなければならないのでしょうか。教育は教育で、保育は保育、福祉は福祉……と、縦割りに戻そうとする人たちは、発達障害のことを理解しようとせず無視しているように思えてなりません。例えば心理士の役割にしても、公認心理士として学校現場で、チーム学校の一員として活動していかねばならない未来の姿もあるのに、全くわかっていない人達には怒りを通りこして、哀れささえ感じてしまいます。しかし、私達は、心ある人たちと手をたずさえて子どもたちの未来を守っていかなければなりません。面倒なことはやらなくていい、慣例に従って可もなく不可もなく過ごしていればいいという考えの人たちの根底にある障害児者差別と利己主義を心の目で見破っていく必要があります。そして何より子どもたちの命の尊厳を守っていかねばなりません。年を重ねてしまったけれど、あともう少し頑張らないと駄目かなあ……と、弱気になりそうな自分を、今、鞭打っています。

 コスモスや秋明菊が咲き乱れる秋。私の大好きな季節なのです。秋は孤独が似合います。


2018.10.15 発行



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