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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

春、樹々や草々の息吹を感じながら・・・

 平成30年度がスタートしました。

 新年度、新しくセンターの職員に加わった北川さんと一緒に、今、圏域内の各機関にごあいさつに回っています。菜の花が咲く揖斐川の堤防や、春がすみの山々、芽吹いた木々のみどりの美しさを横目にながめながら、「乳幼児期から大人まで」と業務内容が広がるこの一年に、少し不安を抱えながらのスタートです。

 4月14日の朝日新聞に「Be」に「春と秋、どちらが好きですか?」という記事があり、アンケート結果が載っていました。アンケートでは、春が好きが59パーセントでしたが、皆さんはどちらでしょうか?

 『万葉集』の巻第一に、藤原鎌足に「春の花と秋の紅葉のどちらが好きか」とたずねられて、額田王が次のように歌で返しています。「冬籠り春さり来れば鳴かざりし鳥も来鳴きぬ。咲かざりし花は咲けれど山を茂(し)み入りても採らず。草深みとりても見ず。秋山の木の葉を見ては もみづをばとりてぞしのぶ。青きをばおきてぞ歎く。そこし恨(めづら)し。秋山われは」(折口信夫の口語訳)

 つまり、少しだけ私は秋山の方がいいですと応えたということです。実は、私も額田王とは別の理由で秋の方がいいのです。というのは、春は全てのものが新しく、躍動するとき、萌えいづるときですが、どうも、それについて行けない自分がいるのです。心は踊るけれども一抹の不安もあって、自分自身に「よしっ!やるぞ!」と発破をかけないと動き出せないのです。春は、別れがあって、新しい出会いもあるわけですが、別れの余韻を引きずってしまうという性格にも起因しているのかもしれません。

 新年度、子どもたちの中にも色々な葛藤が生まれていることでしょう。新しい環境になじめなかったり、友人のさり気ない一言で傷ついたりして、学校に行きたくない・・・と、登校をしぶる子も出てくるでしょう。そんな時、まわりの大人の接し方が重要です。

 人はそれぞれ自分のリズムがあります。そのリズムが乱されると不安になりストレスを強めてしまいます。そのストレスに打ち勝つのは心の強さでなく、豊かさ、広さではないでしょうか。そして、それは当然受け止める大人の側の問題でもあります。

 一雨ごとに草木の芽は成長し、生命の輝きを増しています。子ども達もそうであって欲しいと念じながら・・・私も奮起します。


2018.4.16 発行



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