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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

楚々と咲く一輪のすみれに心を寄せて

 二月十七日は、特別な日でした。

 冬季オリンピックフィギュアスケートで、羽生結弦選手と宇野昌磨選手が表彰台の一位二位を独占し、将棋の世界では、藤井聡太さんが朝日杯で優勝し、最年少で六段に昇段したことで、日本中が沸いた日でした。

 年若い人たちの受賞後のことばには、それぞれの人となりが感じられ、特に羽生選手のことばには、数々の苦難を乗り越えてきたからこそ言えることばの重みが心にひびきました。

 その日、私は……と言うと、今年度最後のセンター主催の講演会を催しましたが、不手際ばかりの一日でした。この日が土曜日課の日であることを考えずに計画し、多くの方々に参加していただくことができなかったこと、レジュメの講師のお名前を変換ミスのまま印刷してしまったこと、研修報告会では、CD資料がパソコンで開けないというミスまであって、テレビの中で喜びに沸く人々とは全く無縁の世界に沈んでいました。

 一夜明けて、今朝は庭に雪がうっすらと積もっていました。先日の大雪のあと、融け始めた雪の下に咲くすみれを一輪見つけ、その楚々とした姿に心を奪われたのでしたが、今朝も少し気持ちを切り換えようと庭先を巡ってみました。
 
 わが庭は、今年は梅も咲かず、木蓮の花芽も見られませんが槙垣の下で、すみれは新たにもう一輪、小さな花を咲かせていました。そして庭の北隅では、白の佗助が咲き終わった後、いつのまにか淡いピンクの佗助が咲きはじめていました。

 自然は、こうして季節ごとに芽吹き、花を咲かせ、やがて散って土に還っていくのだなあと思い、私も自然の中の一かけらにすぎないと気づかされたのでした。そして、挑戦しつづける羽生選手のようにはいかないけれども、植物のように、ありのままに生きていけばいいのだとも思ったのでした。私は私らしく……。

 こんな私に、日々相談して下さる方々は、子どもたちの困り感にどの様に向き合えばいいのか……と悩んでいらっしゃることが多いようです。でも肩の力を抜いてみませんか?雪の下に咲く小さなすみれの花のように、どんな子どもたちの中にも隠れた美しさや輝くものが必ず在るのだと私は思っているのです。できないこと、駄目なことに隠れた良さを見い出してみることが、解決の第一歩かもしれません。子どもたちの表わし方はそれぞれですけれど……。


2018.2.19 発行



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